剣道のメンタル強化法 連載

矢野宏光:剣道のメンタル強化法 vol.2 「できる」と思うと「できた」が増える

2019年11月29日

 私がこの執筆で目指したことは、単に難解な心理学研究の知識やトピックを示すのでは
なく、様々なレベルの剣士やアスリートが日々の中で「感じ」、「考え」、「実行」してきたことを心理学の理論と方法論に乗せながら、できるだけ具体的でわかりやすく解説することです。各稿は、心理学の一テーマと剣道や日常場面とをリンクさせながらストーリー展開することをベースとしています。その中の一フレーズでも心に留まり、明日からの剣道の拠り所となってくれたら著者としてはこの上ない喜びです。

矢野宏光(やの・ひろみつ)
1968(昭和43)年 秋田県湯沢市生まれ。
東海大学体育学部武道学科剣道コース卒業。東海大学大学院修士課程体育学研究科(運動心理学)修了。名古屋大学大学院博士後期課程教育発達科学研究科(心理学)満期退学。博士(心理学)。
現在、国立大学法人高知大学教育学部門 教授。スポーツ心理学のスペシャリストとしてさまざまな競技のサポートに取り組むと同時に同大学剣道部監督。また、スウェーデン王国剣道ナショナル・チーム監督(2006)など国際的にも活躍。一貫して「こころ」と「からだ」のつながりに焦点をあてた研究活動を展開。全日本東西対抗剣道大会出場(優秀試合賞1回)など。剣道教士七段。

「できる」と思うと「できた」が増える

 はじめて自転車に乗れた幼少のあの日のことをおぼえていますか?子どもの頃、自転車に乗れるようになることは、まったく違った新しい世界に足を踏み入れることでした。
 早く自転車に乗れるようになりたくて、必死に暗くなるまで練習を続けた気がします。何度も転んだり、倒れたりしながらの格闘の末、「あれっ!」「なんだ?」という一瞬の〝おどろき〟や〝ひらめき〟とともに、うまく乗れそうな「きっかけ」が姿を現し、その「きっかけ」を感じながら何度か挑戦をくり返すうちに、いままでの苦労がうそのように自転車が進んで…。これが「できた」瞬間であり、成功体験なのです。

 剣道の習得過程もこの自転車体験とよく似ています。



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