連載 香田郡秀の剣道授業

香田郡秀の剣道授業:5時限目 小手に対する応じ技

2020年6月29日

KENDOJIDAI 2013.10

筑波大学教授香田郡秀教士八段がはじめて誌上で完全公開する剣道授業。あの原田悟も、あの髙鍋進も、あの村山千夏も……。筑波大学出身の活躍剣士はみんなこの授業に参加した。あなたもかれらと同じ授業を受ける。

1時限目 基本動作
2時限目 仕かけて面
3時限目 仕かけて小手
4時限目 面に対する応じ技
5時限目 小手に対する応じ技
6時限目 稽古法

プロフィール

香田郡秀(こうだ・くにひで)/昭和32年長崎県生まれ。長崎東高校から筑波大学に進み、長崎県高校教諭を経て筑波大学の教員となる。主な戦績として、世界選手権大会個人優勝、全日本選手権大会3位、全国教職員大会優勝などがある。筑波大学大学院人間総合科学研究科教授、筑波大学剣道部長。剣道範士八段。

小手は、面・小手・胴・突きの四つの打突部位のなかでもっとも至近距離にあります。「小手は玄関、面は奥座敷」といわれるように、もっとも狙われやすい部位です。しかし、狙われやすい部位だからこそ、小手を巧みに引き出し、瞬時に応じることができれば、相手にとって大きな脅威となるはずです。

小手は瞬時に打つことが求められますが、小手に対する応じ技も手の内をきかせて瞬時に打ち切ることが大切です。小手は剣先が上がろうとしたとき、開こうとしたときなどが打突の機会ですが、その機会をよく理解し、稽古に取り組みましょう。

応じ技は「条件反射で打て」と教えているように、自転車に乗るように無意識の状態で技を出すことが理想です。相手が小手を打つぎりぎりまで自分の姿勢を崩さず、相手の技が尽きたと同時に自分の技が決まっているような一本をめざしましょう。



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