インタビュー 大学剣道

星子啓太インタビュー

2021年9月13日

2019.10 KENDOJIDAI

星子啓太(ほしこ・けいた)

平成10年鹿児島県生まれ。鹿児島・重富中から九州学院高に進み、筑波大体育専門学群に進学。世界大会団体優勝、全日本学生大会団体優勝2位・個人優勝1回3位2回、関東学生大会団体優勝・個人優勝3位など。

自分自身と向き合って心を強くした1年

 2019年7月に行なわれた全日本学生選手権で、筑波大3年・星子啓太選手が初優勝。優勝にもっとも近いと言われ続けて3年目、初の学生日本一に輝いた。

 1年生・2年生と連続で出場しこの時はいずれも3位。あと一歩のところで決勝に届かなかった。今年は優勝の目標を明確に掲げていたが、その前哨戦ともいえる関東学生選手権(個人戦)ではベスト16。なかなかうまくはいかなかった。

「1年生、2年生と2年連続3位で、あと少しでいつも負けていて。なぜだろうと自分に問いかけながら稽古してきたはずだったんですが、今年の関東学生(個人戦)でもベストでした。決して調子が悪かったわけではありませんでした」

 稽古は誰よりもやっている自負はある。ではなぜ負けたのか。考えた末、メンタルの問題ではないかという疑問が湧いた。

「1・2年生の時もあと一歩で負けたのは、ここ一番の執念に差があったんじゃないか、と。高校時代の恩師・米田敏郎先生からも『執念が足りない』と言われて、それで今回は最初で最後のチャンスかもしれないと言い聞かせて臨みました。今思えば、以前は試合内容や周りからの評価などのことを無意識に気にしていたのかもしれません」

 ただただ、目の前の試合に向けて全力で取り組んで勝つ。その事だけを頭に叩き込んで試合当日を迎えた。4回戦(対新名敬介・法政大)では先制されるピンチもあったが、手堅く勝利を重ねて行った。準々決勝では昨年の関東大会でも対戦した丸山大輔選手を破った。

 準決勝に進出した時点で筑波勢が3名という大躍進。しかも同学年の松﨑賢士郎選手と白鳥湧也選手だった。

「筑波は日本で一番強いチームだと思っています。その中の3人が上がれたことは想定内でした」

 準決勝で白鳥選手を、決勝で松﨑選手を破った。「仲間だし、頑張っているところをずっと見てきています。だからこそ負けたくなかった。決勝では足がつってしまって情けないというか申し訳なかったですが試合できたことは嬉しかったです」

 長丁場となる学生大会。準決勝から足に違和感があった。決勝では試合を中断する場面も。足が満足に遣えない中、活路を見出したのが延長戦に入って5分ほど経った時だった。松﨑選手の面を察知し、引きこんで見事な返し胴。一撃にすべてをかけた。

「今の実力も確認でき、今後の課題もわかってきました。収穫のある試合でした」

 初の学生個人日本一は大きな収穫だった。しかし、ここはあくまで通過点。見据える先は、まだまだ遠い。

世界大会合宿で得た経験値
選ばれるための方法を模索した



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