小手 小手技を磨け

小手技を磨け(遠藤 正明)

2022年4月18日

2021.3 KENDOJIDAI

「小手は玄関、面は奥座敷」の教えの通り、小手技を身につければ攻撃の幅が広がる。表裏上下の攻撃で相手を崩す技術を身につけよ。一流剣士の小手技活用法と面技への展開を公開する。

撮影=西口邦彦、笹井タカマサ

「実力が拮抗すればするほど剣道は根競べになります。そこで我慢できると小手を打つ機会が生まれます」と遠藤正明範士は強調する。剣道の立合は相手との攻防であり、先をかけて相手の気持ちを動かすことで、打突の機会が生まれる。

遠藤正明範士八段

えんどう・まさあき/昭和25年福島県生まれ。会津高校卒業後、警視庁に奉職する。世界剣道大会団体優勝2回、全国警察官大会団体優勝5回・個人優勝2回、全日本選手権4回出場、全日本都道府県対抗優勝、国体優勝、全日本選抜八段優勝大会優勝、寬仁親王杯八段大会優勝など。現在、警視庁名誉師範、株式会社ベアハグ顧問、埼玉医科大学剣道部師範、正武会師範。剣道範士八段。

 新型コロナウイルス感染症の猛威が収まらず、1都2府8県にはふたたび緊急事態宣言が発令されました。指導する正武会の稽古も2020年からは不自由な状態が続いていますが、年末になり、少しずつではありますが、稽古ができる状況になりました。その状況下で再び緊急事態宣言が発令されたことで、また稽古環境が不透明になってしまいました。

 ただ、全日本剣道連盟は昇段審査実施に向けてのガイドライン、大会実施にあたってのガイドラインなどを発表し、感染防止に最大限の配慮をしながら、行事を再開しました。春には昇段審査も実施予定です。稽古時間の確保等に制約があるとは思いますが、与えられた環境で努力することも剣道修行の一つです。

小手は反射で打つ
捨て切った面が脅威を与える

 さて、今回のテーマである小手技です。小手は面・小手・胴・突きの打突部位のうちでもっとも近い距離にあるので狙いやすいと錯覚しがちです。近いところにあるので、一本を先取されたときや、打ち急いだときに安易に出してしまうことがありますが、そのようなときはまず成功せず、反対に打突の機会を与えてしまうことにもなります。



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