2021.3 KENDOJIDAI
「小手は玄関、面は奥座敷」の教えの通り、小手技を身につければ攻撃の幅が広がる。表裏上下の攻撃で相手を崩す技術を身につけよ。一流剣士の小手技活用法と面技への展開を公開する。
撮影=西口邦彦、笹井タカマサ
「実力が拮抗すればするほど剣道は根競べになります。そこで我慢できると小手を打つ機会が生まれます」と遠藤正明範士は強調する。剣道の立合は相手との攻防であり、先をかけて相手の気持ちを動かすことで、打突の機会が生まれる。
遠藤正明範士八段
新型コロナウイルス感染症の猛威が収まらず、1都2府8県にはふたたび緊急事態宣言が発令されました。指導する正武会の稽古も2020年からは不自由な状態が続いていますが、年末になり、少しずつではありますが、稽古ができる状況になりました。その状況下で再び緊急事態宣言が発令されたことで、また稽古環境が不透明になってしまいました。
ただ、全日本剣道連盟は昇段審査実施に向けてのガイドライン、大会実施にあたってのガイドラインなどを発表し、感染防止に最大限の配慮をしながら、行事を再開しました。春には昇段審査も実施予定です。稽古時間の確保等に制約があるとは思いますが、与えられた環境で努力することも剣道修行の一つです。
小手は反射で打つ
捨て切った面が脅威を与える
さて、今回のテーマである小手技です。小手は面・小手・胴・突きの打突部位のうちでもっとも近い距離にあるので狙いやすいと錯覚しがちです。近いところにあるので、一本を先取されたときや、打ち急いだときに安易に出してしまうことがありますが、そのようなときはまず成功せず、反対に打突の機会を与えてしまうことにもなります。
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