素振り 自宅稽古

具体的なイメージが一人稽古の質を上げる(平尾 泰)

2022年11月7日

コロナ禍においては、一人稽古をどのように取り組むかによってその精度が変わってくる。
「目標や理想の剣道を具体的にイメージしながら行なうことが大事」
と語る平尾泰教士に、一人稽古を行なうにあたっての具体的なコツについてうかがった

撮影=笹井タカマサ
翻訳= ボームガード・ペパイン

平尾 泰教士八段

ひらお・やすし/昭和42年北海道羽幌町生まれ、54歳。PL学園高から東海大に進み、卒業後、警視庁に奉職する。全日本選手権出場、世界大会団体優勝3回、全国警察大会団体優勝・個人2位、寬仁親王杯八段選抜大会優勝、全日本選抜八段優勝大会3位など。世界大会日本代表男子コーチなど歴任。現在、警視庁剣道副主席師範

目標を見据え、イメージする

 私が行なっている一人稽古は、素振りが中心です。素振りは準備運動として行うものではないと思います。立派な稽古法の一つであり、対人稽古ができない中であれば、基本に返るという面でも大変に有効です。

 とくに、こうして稽古が制限される時期が続いたことは、自分の剣道を見つめ直す、良い機会になったと思います。正しい剣道を目指そうとしても、知らず知らずのうちに、誰もがある「癖」が顔を出してきます。それを鏡で見るなどして、気付くきっかけになりました。対人稽古はできませんでしたが、今後に向けて修正をしていく面では大変為になる時期でした。

 何事にも目標を意識して行なう必要があるのではないかと思います。試合・審査を控えている人であれば、当日をイメージしながら、もしくは「あのような面が打ちたい」といった理想をイメージしながら行なうことで、効果があがると思います。そして、そのイメージをより明確に・鮮明にしながら行なうとさらに良いと考えています。



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