インタビュー

[栄花英幸×栄花直輝] 望郷稽古対談 vol.3:勝つことは難しい。でも、やめたら絶対に強くなれない

2019年10月1日

※この記事は『剣道時代 2012年03月号』に掲載されたものです。

剣道界に「栄花」というなんとも派手な名前が定着してひさしい。
北海道喜茂別町で兄・英幸が竹刀を握ったのが今から40年以上も前のこと。それから数年後、弟・直輝が兄の背中を追うように剣道をはじめ、愚直に剣の道に邁進してきた両者の名は急速に剣道界に浸透していった。
そして現在、その名はくもることなくいっそうの輝きをたたえている。

なぜこの二人はいつまでも輝いていられるのか。スタートラインとなった喜茂別の町での真剣勝負、そして場所を変え、愛する息子と娘との稽古を終えた二人に話を聞いた。

栄花英幸教士八段(えいがひでゆき)
昭和39年7月17日、北海道生まれ。東海大四高校から東海大学を経て、郷里で高校教員となる。第39回全日本選手権大会準優勝、他3位2回。中倉旗争奪剣道大会優勝、全日本都道府県対 抗大会優勝など数々の輝かしい成績を残す。

栄花直輝教士八段(えいがなおき)
昭和42年10月29日、北海道生まれ。東海大四高校から東海大学を経て、北海道警察に務める。全日本選手権、世界選手権など数々の大会で優勝を果たしてきた、日本の剣道界を牽引するトップ選手の一人。現在北海道警察剣道特練監督。5月にイタリアで開催された第15回世界選手権大会では、日本代表コーチを務めた。

何事においても、最後は自分で決めて後悔をしないようにしているんです(直輝)

●東海大学を卒業されて、英幸さんは教員、直輝さんは警察官へと道が分かれましたが、当時のお二人はどのような将来の展望を持っていたのでしょうか。

英幸 私が中学生の時に「金八先生」をテレビでやっていて、その時に金八先生みたいになりたい、教員になりたいと思ったんです。剣道を活かせる仕事ということもあって教員を選んだことは確かですが、教員になるという原点は金八先生ですね。教員になって、いろんな人に理想と現実は違うと言われましたけど、私は今でも金八先生みたいに理想を追ってやっている気がします。

●教員でよかったと思われますか。

英幸 子供たちの成長する過程を見ることができて、卒業した後も慕ってくれる。そう言った意味では、自分が教員として関わった子みんなが財産となって残るので、とても良い仕事に就いたと思っています。剣道を続ける上でも、部活動を通じて剣道を指導するのは、生徒はもちろん自分の修業にもなりますし、私の性格的にも合っていると思います。

●直輝さんはなぜ警察官になられたのですか。

直輝 私も最初は教員になりたいと思っていたんです。ただ兄や親が警察に入れというので……(笑)。すごく迷いましたけど、最後は日本一を目指してやってみようと覚悟を決めて、警察に入ることにしました。

●なぜ英幸さんは直輝さんに警察を勧めたんですか。

英幸 直輝は性格的にも強いものをもっているし、剣道も良い。当時の北海道は各大会で警察よりも教員が上位を占めていました。しかし、やはり北海道全体のレベルアップを考えたら、警察が強くならなければいけないと思ったんです。そこに新しい風を入れるのは直輝しかいないと感じていました。結局直輝が警察に入って徐々にレベルが上がってきて、警察と教員と切磋琢磨するようになってきた。北海道のためにはこれでよかったんだと思っています。

直輝 剣道はきついですからね。このまま選手としての道を続けていくべきか正直悩みました。でも、私は何事においても、最後は自分で決めて後悔をしないようにしているんです、結果が良くても悪くても。だから今は警察で良かったと心から思えますし、良い環境をいただけたことに感謝しています。

●全日本選手権、日本一への想いはどうですか。



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