※この記事は『剣道時代 2012年2月号』に掲載されたものです。
剣道はなぜ面なのか。これぞ会心の面。面を打ちたいあなたのために寺本将司、髙鍋進、北条将臣、佐藤博光があきらかにする。
四つの面を打ち分ける
全日本選手権大会で優勝させていただいた前年くらいから、打突までの過程を真剣に考えるようになりました。無理して打てば隙につながる。自分の納得するところで技を出し、それがダメなら稽古をするしかない。そう思えるところまで攻めることを心がけるようになりました。
「寺本は器用ではあるけど、なにを打ちたいのか伝わってこない。面を打ちたいのなら、それまでのつくりを重視すべきで、むやみに技を出すものではない」
当時、ある先生からそのようにご指導いただき、真剣に自分の剣道を見つめなおしました。いま現在のわたしがあるのはそのときのアドバイスと感謝しているのですが、面もそれから相手の状況に応じて使い分けるようになりました。ただ間合を詰めて打つのではなく、駆け引きのなかで隙によって技を出す。それを今でも心がけています。
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