剣道のメンタル強化法 連載

矢野宏光:剣道のメンタル強化法 vol.4 集中力はつくるものだ

2020年1月22日

 私がこの執筆で目指したことは、単に難解な心理学研究の知識やトピックを示すのでは
なく、様々なレベルの剣士やアスリートが日々の中で「感じ」、「考え」、「実行」してきたことを心理学の理論と方法論に乗せながら、できるだけ具体的でわかりやすく解説することです。各稿は、心理学の一テーマと剣道や日常場面とをリンクさせながらストーリー展開することをベースとしています。その中の一フレーズでも心に留まり、明日からの剣道の拠り所となってくれたら著者としてはこの上ない喜びです。

矢野宏光(やの・ひろみつ)
1968(昭和43)年 秋田県湯沢市生まれ。
東海大学体育学部武道学科剣道コース卒業。東海大学大学院修士課程体育学研究科(運動心理学)修了。名古屋大学大学院博士後期課程教育発達科学研究科(心理学)満期退学。博士(心理学)。
現在、国立大学法人高知大学教育学部門 教授。スポーツ心理学のスペシャリストとしてさまざまな競技のサポートに取り組むと同時に同大学剣道部監督。また、スウェーデン王国剣道ナショナル・チーム監督(2006)など国際的にも活躍。一貫して「こころ」と「からだ」のつながりに焦点をあてた研究活動を展開。全日本東西対抗剣道大会出場(優秀試合賞1回)など。剣道教士七段。

集中力はつくるものだ

「集中力」とは最高のパフォーマンスを発揮するために、非常に重要な能力であることを多くの人が知っています。ですが、「集中力がいったいどのようなものか」と尋ねられると、ちょっと考えてしまいます。

「集中力」という概念は心理学では、「注意(Attention)」にもっとも近い専門用語として認識され、スポーツ心理学者の徳永は、「集中力とは自分の注意をある課題や対象物に集める力」と「それを持続する力」と定義しています。

 また、生理心理学的にみると、集中している状態とは、なにかに没頭しているときであり、α(アルファ)波という脳波が検出され、瞑めい想そうにも似た、まさに心身の調和がとれた状態といえます。剣道用語の「無心」そのものなのです。ですが、実際にその状態を自由に生み出すことはなかなか困難であることもたしかです。それだけに日々の稽古や試合・審査などの場面で集中力を高めるポイントを知ることが重要です。

 それでは実際に集中力を向上・持続するための対策について考えていきましょう。



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