剣道のメンタル強化法

矢野宏光:剣道のメンタル強化法 vol.5 明確な目標を設定する方法とは

2022年10月24日

矢野宏光(やの・ひろみつ)

1968(昭和43)年 秋田県湯沢市生まれ。東海大学体育学部武道学科剣道コース卒業。東海大学大学院修士課程体育学研究科(運動心理学)修了。名古屋大学大学院博士後期課程教育発達科学研究科(心理学)満期退学。現在、国立大学法人高知大学教育学部門 教授。スポーツ心理学のスペシャリストとしてさまざまな競技のサポートに取り組むと同時に同大学剣道部監督。また、スウェーデン王国剣道ナショナル・チーム監督(2004~2009)など国際的にも活躍。一貫して「こころ」と「からだ」のつながりに焦点をあてた研究活動を展開。全日本東西対抗剣道大会出場(優秀試合賞1回)など。剣道教士七段。

明確な目標を設定する方法とは

 剣道の稽古において、どんなにすばらしい剣士であっても、ただ漠然と毎回決められた稽古内容を実行するだけでは、どうしてもマンネリ化してしまいます。「マンネリ(mannerism)/マンネリズム」とは、思考・行動・表現などが型にはまり、新鮮さや独創性がなくなることです。

 このマンネリを打破するために重要なことは、「目標設定(Goal-setting)/ゴールセッティング」です。目標を持たずに努力を続けることは、出口の見えない真っ暗な森を延々と歩くようなもの。そんななかでの目標とは、暗闇の向こうに見つけた一筋の光なのです。

 目標は長期・中期・短期に分けて設定し、いずれも現実味のあるものでなければいけません。あまりにも現実とかけ離れた目標は、かえって無気力を招きます。がんばったらなんとか達成できるレベルに目標を設定することが重要です。



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