昇段審査

八段合格の秘密2018(5月編)Part2

2021年2月22日

2018.9 KENDOJIDAI

剣道界最難関、八段審査に合格した剣士たちの手記。ここに昇段合格の秘密がある

相手との同調を1年間意識した

中田勝巳(群馬)
なかだ・かつみ/昭和46年群馬県生まれ、46歳。高崎商業高卒業後、群馬県警察に奉職。現在、同警察技術職員

約2年かけて構えを修正
生きた構えを構築した

 普段の稽古では、

○ 切り返しを一息で行なうこと

○ 左足を継がない、一拍子の打突をすること

○ いち早く面を着け、数多く上手の先生に掛かること

○ 攻めて、崩して、捨てること

 等に留意して稽古しています。

 私は、高校三年間ご指導いただいた恩師である谷勝彦先生(範士八段)から「八段審査に向けそろそろ準備した方がいい」と言われたのが、約3年前でした。

 先ず審査に向けて取り組んだことが「構えの修正」でした。具体的には「柄を短くしたり、長くしたり」、立ち姿を綺麗にするため「背を張って構える」様にしましたが、これが中々難しく、「構えると打てない。打つと構えが崩れる」といったことの繰り返しでした。約2年間、構えの修正に時間を費やしました。

 構えが決まってからは、相手の動きや打突に対して素早く反応するように心がけて稽古していました。受審を1年後に控えた昨年の京都審査を準備のため見学させていただき、自分なりに審査しましたが、合格だと思っていた人が落ちていたり、逆にもう少しかなと思った人が合格していたりといったケースがありました。合格した人に共通していたことが、「相手と同調している」ことだと感じました。自分勝手に打突していない、相手の起こりや居着きを確実にとらえていると感じ、1年間そのことを意識して稽古してきました。

 現在、私は群馬県警察剣道指名選手(特練員)の監督をしていますが、そこでは自分の稽古が中々できない状態でした。そこで、群馬県剣道連盟の合同稽古会(毎週水曜日)に参加したり、休日に支部の稽古や母校である高崎商業高校の稽古に参加したりしていましたが、それに加えて、自宅近所にある「弘武館松澤道場」に通わせていただきました。この道場は約3年前に建てられ、整骨院の院長である松澤和則先生が館長をされており、私も定期的に体のメンテナンスを整骨院にお願いしていたことから、この道場に通うようになりました。

 この道場は、全国的にも高名な先生方が来館されるので、その都度松澤先生から声を掛けていただき、その先生方に稽古をつけていただいたこと、更には稽古の前に体をケアしてもらい「万全な体の状態で稽古ができる」、そのような恵まれた環境で稽古できたことは本当に大きかったと思います。

 その他、これといって特別に行なったことはありませんが、時間のある時は八段合格者の立合の動画を繰り返し見て研究しました。合格した人はどこが良かったのか、逆に不合格の人はどこが悪かったのかを自分なりに分析して稽古に生かすようにしていました。

 また、「なんとしても八段に合格したい」と、神社やお寺等にお参りするときに必ず祈願していました。

 最後に、今までご指導いただいた先生方、苦楽を共にした剣友、支えてくれた家族など、私の周囲にいる全ての人のお陰と深く感謝すると共に、この環境を与えてくれる組織(群馬県警察)のお陰だと思っています。これからも、より一層努力精進をしていきたいと思います。

継続は力なり。
年齢を重ねてなお強くなる

鈴木康民(兵庫)
すずき・やすたみ/昭和23年熊本県生まれ、70歳。玉名農業高(現県立北稜高)卒業後、兵庫県警察に奉職。現在高砂市剣道連盟副会長

朝稽古会を立ち上げ8年
毎朝切り返し打ち込みを実施

 平成13年5月、53歳から挑戦が始めりました。今年で18年目となり、なかなか遠く今回一次審査3回目で合格することが出来ました。

 私の1日の剣道への取り組みをご紹介します。

 先ず、起きますと素振り100本を行ないますが、もうすでに40年近くになります。平成

22年4月退職後に朝稽古会を立ち上げ(午前5時45分から午前6時45分ころの間、高砂市立竜山中学校にて)、息が上がるよう、切り返し8回以上、基本打ち(面打ち等)、打ち込み4回を毎日(現在年末年始の6 日間休み)、やってきました(既に9年目に入っています)。

 年齢的に体力の衰えがあり、朝稽古会の後、更に足、腰を鍛えるため、両足首に重さ250グラムの重しを着け、毎日約1時間歩き、特に昨年は大雨を除き、真夏日も歩き続けました。又、夜は竜東館(高砂市立米田小学校)を中心に、約1時間の地稽古を週3回以上稽古に努めました。

 その結果、足と腰に自信がつき、打突がしっかり行なえるようになり、足さばきも良くなり、しっかり左足に溜めができ、左半身で面打ちが出来るようになりました。その結果が、今回の合格に繋がったと思います。

 これまでご指導していただきました兵庫県剣道連盟の先生、高砂市剣道連盟、並びに竜東館の先生方を始め、沢山の方にご指導を受けました事に感謝を申し上げます。この場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。



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