インタビュー

フランス代表・ナカバヤシ選手へのインタビュー

2023年9月28日
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来年の世界剣道選手権大会に向け、剣道時代インターナショナルでは世界の剣士たちへのインタビュー企画を実施。本記事では、YouTubeで行ったインタビューの内容を一部抜粋しご紹介します。

剣道を始めた時のことを教えてください。

ナカバヤシ:私が剣道を始めたのは4歳の時です。パリ近くのサンジェルマンにリセ インターナショナルという学校があって、そこで剣道を習うことができたんです。この学校は、私と姉の母校で、日本語とフランス語を学びました。

最初に剣道を始めたのは姉で、その姿を見て母に自分も剣道を習えないかと聞きました。その後、私はパリにあるブドー・オンズという道場に入会します。その道場では、木村先生が子どもの指導を担当していました。

当時のことを覚えていますか?

ナカバヤシ:幼い頃の私にとって、剣道はただエネルギーを発散するためだけのものでした。子どももたくさんいて、とても楽しかったのを覚えています。でも、それと同時に彼らと一生懸命稽古したことも覚えています。

最初は週に1回しか稽古をしていませんでした。ブドー・オンズに移った時、母がいつも車でパリに連れて行ってくれたことをよく覚えています。パリの交通はひどいので、母にとっては悪夢だったと思います。母には、本当に感謝しています。

どんな稽古をしていたか覚えていますか?

ナカバヤシ:小さい頃はほとんど遊びに近かったかもしれません。しかし、ブドー・オンズに移ってからの練習は大変でした。稽古は夜の6時から8時まで、ほとんどが基本で、追い込みやかかり稽古もたくさんしました。

剣道に真剣に取り組もうと思ったのはいつだったか覚えていますか?

ナカバヤシ:実は、小さい頃は何度も辞めたいと思っていました。稽古がとてもきつかったからです。本当に剣道を楽しいと感じ始めたのは、試合に勝てるようになってからです。負けたら、楽しくないですよね。

だから、練習がキツくて剣道を辞めてしまう子どもの気持ちもわかります。また、大学に入ったり、仕事を始めたりすると、生活と剣道を両立させるのはとても難しいです。

私が剣道を楽しめるようになったのは、ジュニアでフランスのチームに入った頃からだと思います。2007年の頃でした。初めて参加したヨーロッパ大会は、リスボンでの大会でした。仲間と一緒に一生懸命練習するのが楽しかったことを覚えています。

初めてのヨーロッパ大会の感想は?

ナカバヤシ:私にとっては、とても大きな出来事でした。両親を含む、たくさんのフランスの仲間からサポートしていただいて、そのかいあって個人戦で優勝することができました。この大会は、初めてヨーロッパ大会に三人制のジュニア団体カテゴリが設置された年でした。団体でも優勝でき、結果にとても満足していました。

ナカバヤシ:シニアチームとして初めてのヨーロッパ大会は、2011年にポーランドで開催された選手権で、私はトレーニングパートナーとして参加しました。試合はレベルが高く、どうしたらこの人たちのようになれるんだろう、と感じました。

そしてこの大会は私たちにとって悪夢でした。フランスチームが初めて表彰台に上がれなかったのです。試合に対して準備ができていなかったので、結果は驚くようなものではありませんでしたが、私たちは皆、責任を感じていました。

その経験を次の大会にどう生かしましたか?

ナカバヤシ:次の大会は2012年のノヴァラでのWKCでした。私にとって初めてのWKCです。準備のために、私たちはまったく新しいことをしました。韓国に行って3週間練習したんです。何かを変えなければならないー。どうすれば強くなれるのか?その答えはただひとつ、強い人たちと一緒に練習することでした。

初めてのWKCはどうでしたか?

ナカバヤシ:素晴らしい経験でした。参加できてとても興奮しました。団体の部では準々決勝まで進み、そこで日本と対戦しました。この時、私はチームの中で一番若かったので、先鋒でした。ただ、チームのためにベストを尽くそうと試合をしました。たとえ日本が相手でも、自分たちならやれる、そう信じていました。

ヨーロッパ大会の後、私たちはとてもハードな練習をしました。個人としてだけではなく、チームとしても強くなれたと実感していました。レベルの高い試合においては、個々人としてだけではなく、一つのチームとなって戦うことがとても重要だと思います。

残念ながら、個人戦では経験豊富なブラジルの選手に対戦し、グループステージで負けてしまいました。でも、ベストを尽くしました。それが一番大事なことだと思います。だから悔いはありませんでした。日本や韓国の強い剣士にも出会い、すごいところに来たと実感した大会でした。

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