インタビュー

木村恵都インタビュー

2023年10月23日

KENDOJIDAI 2023.10

写真=笹井タカマサ

学生個人日本一を決する大一番を制したのは、来年7月に控える第19回世界剣道選手権大会の日本代表候補の木村恵都選手だった。これまで準優勝に甘んじ、なかなか日本一に手がとどかなかったが、ついに頂点に立った。

木村恵都

きむら・けいと/平成13年、群馬県生まれ。水戸葵陵高校から鹿屋体育大学に進み、現在4年。高校時代はインターハイ団体2位、全日本都道府県対抗2位など。本年7月、全日本学生選手権大会で初優勝を果たした。日本代表候補として強化選手にも選出されている。剣道四段。

すべて時間内に決着
途切れなかった集中力と気力

「2年前に決勝戦まで勝ち上がることができました。高校時代から常に〝日本一〟を意識して稽古を続けてきましたが、なかなかその夢をかなえることができませんでした。今回、優勝をすることができ、両親はもちろんのこと祖母が自分のことのように喜んでくれ、やっと期待に応えられたという気持ちです」

 既報のとおり第71回全日本学生剣道選手権大会は木村恵都選手が頂点に立った。鹿屋体育大学勢では牧島凛太郎選手(現福岡県警察)以来、6年ぶり4人目の快挙。水戸葵陵高校出身者では前回優勝の岩部光選手(現国士舘大学教務助手)に続いて2人目の頂点に立った。

「日本一になるチャンスは4年前の熊本インターハイ、全日本学生選手権大会、全日本都道府県対抗などいくつかありましたが、自分自身が負けてしまい、準優勝でした。いま振り返ると、決勝まで勝ち上がったことで、どこか満足してしまっていた自分がいたようです。それが結果として現れていたのではないかと…。今回は〝勝ちたい〟というよりは〝勝たなければならない〟という気持ちで臨んでいました」

 現在、全日本剣道連盟は来年7月の世界剣道選手権大会に向けて日本代表を決める選考合宿を実施している。本大会2度出場の安藤翔選手(国士舘大学教員)をはじめ20名の精鋭が鎬を削っているが、学生では全日本選手権3位の池田虎ノ介選手(筑波大学4年)と木村選手が選ばれている。「日本代表監督の東良美先生も今大会に視察に来られており、ご挨拶にうかがうと『命がけで戦ってこい』と激励を受けました。前回も候補選手の岩部先輩が優勝しており、なんとしても優勝するという気持ちで挑めたことが、今回の結果につながったのかもしれません」

 木村選手は2回戦から登場し、丹治選手(順天堂大4年)に面を連取して二本勝ちして幸先のよいスタートを切った。その後、3回戦から準決勝までの5試合、すべて制限時間の5分以内で勝利を収めた。

「水戸葵陵、そして鹿屋体育大で学んでいる剣道は攻撃的なスタイルです。日頃の稽古でも、そこは意識しています。決勝戦は相手の試合棄権で勝利を得ましたが、自分が取り組んできたことが少し表現でき、嬉しかったです。水戸葵陵の君島範親先生も応援に来てくださり、先生が見ている中で優勝することができました」

群馬県藪塚少年剣道クラブ
父の影響で5歳から竹刀を握る



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