剣道極意授けます 連載

電光石火で打ち切る(小林英雄)Part2

2021年7月19日

剣道は攻めて、崩して、打ち切って勝つ。打ち切りは電光石火でなければならず、躊躇、緩慢は会心の一本を逸する。小林英雄範士(東京大学剣道主席師範)が教本には絶対に載っていないその極意を、あなたにそっと伝授する―。

小林英雄範士 

こばやし・ひでお/昭和十七年熊本県生まれ。鎮西高校入学と同時に剣道をはじめる。高校卒業後、昭和三十五年より神奈川県警察に奉職。菊池伝範士、中村太郎範士らの薫陶を受け、全日本選手権や国体などで活躍する。神奈川県警察首席師範を務めたのち、平成十四年に退職。第十二回世界剣道選手権大会男子日本代表監督。現在は、神奈川県剣道連盟会長、神奈川県警察名誉師範、東京大学剣道主席師範などを務める。剣道範士八段

 構えの要点は
〝足は親指、手は小指〟

 打ち切った技を出していくためには、崩れのない構えが必要になります。ここでは構えのポイントについて、私が気をつけているところをいくつかあげていきたいと思います。

 構えの要点を表した言葉に〝足は親指、手は小指〟というものがあります。分かりやすいのは〝手は小指〟の方でしょう。よく言われるように、左手の握りは小指に力を入れ、その他の指は軽く握ります。右手も軽く握りますが、引っかけるようにして握っていない人や、右手を開いたり閉じたりしている人をよく見かけます。これではいざ打突に移るときに右手を握り直さなければいけません。握り具合のイメージとしては、子どもの手を引くように、もしくは、傘を差しているときに風が吹いてきたら柄を握りしめるでしょう。そのぐらいの具合はちょうどよいと思います。〝足は親指〟というのは、足の親指に力を入れることで足の甲が張ります。足の甲を張ることで左足のかかとが上がりすぎず、しかも膝が伸びるため、安定した構えになります。

「不離五向」と言う言葉がありますが、目、剣先、両つま先、へそ、そして心が相手を向くようにして構えます。



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