インタビュー

起こりをとらえて打て(若手剣士)Part1

2022年7月4日

2021.8 KENDOJIDAI

剣道では「三つの許さぬ機会」と称して、第一番目に技の起こり頭をあげている。攻める、引き出す、とらえて打つ。起こりをとらえる技術を学び、一本を確実に増やそう。

重要なのは相手との心の会話

山本翔平(京都)やまもと・しょうへい/昭和59年愛知県生まれ。立命館宇治高から立命館大に進み卒業後、京都府警察に奉職。全日本選手権大会出場、全国警察大会1部3位・個人出場、国体出場、全日本学生大会個人3位など。剣道錬士六段

偶然とらえるのではなく意図的に相手を動かす

剣道の起こりとは何かと考えたとき、「動作の起こり」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

 相手の出ばなを狙うことは多々ありますが、偶然ではなく意図的に相手を動かし「起こりをとらえる」ためには、相手が動き出す一つ前の段階を重視する必要があります。つまり打ち間に入るまでの攻め合いで行なわれる相手との心の会話が重要です。

 この重要性に気がついたのも特練員となり数年経ったころでした。「偶然を必然に変えるためには何が大切なのか」。これを課題として、日々の稽古に取り組んでいました。剣先が触れあう中で行う相手との会話こそが剣道の醍醐味であり、勝負は打突の前に決している「勝って打て」に繋がるものだと思います。

少年期における起こりのとらえかた

私はとにかく剣道が大好きでした。有名選手の映像をビデオテープがすり切れるまで繰り返し見て真似事をしていたことを覚えています。

 運良く小学生時代に個人で日本一を経験することができましたが、大会に参加すれば対戦相手の試合を見て、試合前に相手の癖を見つけることをしていました。試合ごとに事前にイメージを作り上げ、頭の中で試合の構成を作り上げていたよう思います。

 少年期であれば理合にかなった攻め合いというのは難しいと思いますので、相手をよく観察することが「起こりをとらえる」第一歩になるのではないでしょうか。相手をよく見ることで独りよがりな剣道ではなく、考える剣道を少年期から実践できると思います。

剣道の醍醐味



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