構え 素振り 自宅稽古

理想に近づくための一人稽古(友井浩一朗)

2022年11月14日

2022.7 KENDOJIDAI

剣道特別訓練員として長く活動してきた友井教士は、勝負の世界からいったん身を置き指導者の道を歩む中、新型コロナウイルス感染対策により対人稽古自粛となった。

そのような環境下で、あらためて自分の剣道を見直し、「正しく美しい剣道を求めたい」という思いをあらたにしたという。

友井浩一朗 教士七段

ともい・こういちろう/昭和55年熊本県生まれ、41歳。九州学院中高から中央大に進み、卒業後大阪府警察に奉職する。全国警察大会団体1部優勝3回個人出場、全日本選手権出場、国体出場など。現在同警察平野警察署上席教師。剣道教士七段

 私は10年以上大阪府警察の剣道特別訓練員として活動していましたが、5年前に退き、現在は指導者という立場にあります。数か月ごとの試合で好成績をおさめるためにめまぐるしい毎日だった特練員時代とくらべ、現在は自分の剣道とゆっくり見つめ合う時間も増えました。

 そこで、あらためて感じたのは、自分の剣道の癖です。正しく行なっているつもりでも、毎日稽古をしていると、いつの間にか我流が強くなり、基本から遠ざかってしまいます。

 誰もが憧れるような、素晴らしい剣道をされる先生は、どこか美しさすら感じます。横から見た時の体幹など、無理無駄がなく、隙もない、そのような剣道を拝見しているとやはり素晴らしいと思いますし、私もそのようになりたいと日々考えています。

 ただ、現在大阪府警察の各署は新型コロナウイルス感染対策として柔剣道の対人稽古を自粛しています。そのため、今は主に一人稽古を行なっています。

 主なメニューは、勤務の合間を縫ってのストレッチ、トレーニング、素振りです。幸い、警察においては職務柄心身を鍛える必要があり、トレーニング器具など充実しています。それらを利用しながら行なうようにしています。

 鏡を見る時間も増えましたし、立ち姿や目付、左足のひかがみの曲がり具合などを見て、偏りがないかどうかを見るようにしています。

 たとえば、適正な姿勢であれば正しい打ちができますし、無理・無駄のない動きができます。そのような大切な要素を一つ一つ学んでいかなければいけないなと試行錯誤しているところです。長い時間をかけて鏡の前で構えてみることもありますが、まるで答えが出ず、剣道修業の道のりはまだまだ遠いことを痛感させられます。

 先日、古川耕輔先生(大阪府警察学校)とお話しさせていただき、構えなどについてアドバイスなどいただきました。構えの一つ一つや、発声などの細かい点についても改めて振り返っています。

「今まで、声はどう出していただろうか」などと改めて自分の剣道を考えながら稽古をしていると新しい発見や課題が見つかります。

 新型コロナウイルスの影響をプラスに捉え一人稽古を通じて正しい剣道・美しい剣道を求めて勉強したいと思っています。特練員を降りて5年もたちますし、筋力が落ちてくるのを感じていますが、余暇を利用した一人稽古によって最近少し体力がついてきたことを感じています。工夫をできる限り行いたいと考え、都度勉強するようにしています。

素振りは大きく鋭く。冴えのある一本をめざす



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