インタビュー

インタビュー(髙鍋進)

2025年12月15日

2025.12 KENDOJIDAI
撮影=笹井タカマサ
取材=栁田直子
*本記事に掲載された画像の無断転載・使用を固く禁じます。

高鍋進

たかなべ・すすむ/昭和51年熊本県生まれ、49歳。PL学園高から筑波大に進み、卒業後神奈川県警察に奉職。世界大会団体優勝3回・個人優勝、全日本選手権優勝3回(2連覇1回)2位1回3位2回、全国警察大会団体優勝4回・個人優勝4回(3連覇1回)、全日本選抜七段選手権優勝3回など。現在、関東管区警察学校教官。剣道教士八段

今の自分の剣道を
見ていただく

 鮮烈な八段戦デビュー。数々の団体戦、個人戦で優勝を手中におさめてきた髙鍋進教士が寬仁親王杯第25回剣道八段選抜大会にて初出場初優勝を果たした。

「まず、素晴らしい先生方が揃うこの大会の選手に選んでいただいたことに感謝の思いでした。出場させていただくことは大変な名誉ですが、同時に、責任もあると思いましたので選抜選手としての自覚をもつことが大切だとも思いました」

 最高段位である八段の、精鋭が集う大会。その責任の思いが、試合に臨む態度・心境にもあらわれたという。

「もちろん出場にあたっては『優勝』をめざすのですが、今回は勝ち負けよりも『今の自分の剣道を見ていただく、表現する』ことにシフトした面がありました」

 八段としての責任。全日本選手権や世界大会とも違う感覚を得たという。

「八段として今の自分の剣道はどうなのかという確認の意味もありましたし、また、出場される先生方は素晴らしい方々ばかりです。今回、米屋先生(勇一・埼玉県警)と私が最年少でした。自然と勉強・挑戦をさせていただく気持ちになれたことも大きいと思います」

 会場は東京都足立区にある東京武道館。髙鍋教士にとって筑波大の学生だった頃以来の会場だろうか。

「試合当日は八段戦の前に全日本選手権の東京都予選があり、予選終了後はすぐ開会式・試合開始となったため、面を着けてのウォーミングアップも行ないませんでした。普段はそのような形で試合に入ることがないため、いかに集中力を高めるかが鍵になると思いました」

 笹川一文教士(警視庁)、筑波大の恩師・鍋山隆弘教士(茨城)、坂田敏郎教士(警視庁)、岡本和明教士(警視庁)を破り決勝へ。岩佐英範教士との決勝戦を迎えた。

 岩佐教士は前年度の優勝者。一進一退のすさまじい攻防が続いた。

「当然緊張はしておりましたが、自分の力をぶつけることに集中しました。一本目の面を取った時間が早かったので『守ったらだめだな』と感じましたが、すぐに返されてしまいました」

 一本目、早々に面で先制した髙鍋教士だったが、すぐに面を返された。判断ミスだった、と振り返る。

「構えが崩れない先生なので、小手よりも突きの方が良いのではないか、それで突きを出したところで返されてしまったので、『失敗した』と感じました」

 これで勝負になり、五分の状態で延長戦を迎える。最後に決めたのは面。ここまでくれば、自分の力を信じるのみだったという。

「(最後の面について)打たれるリスクはどのような技にでもありますが、自分を信じて打ちました」

 現在、関東管区警察学校に勤務している髙鍋教士。試合1か月前は勤務のためなかなか従来のように入念に稽古を積んでおくなどの調整が難しかったそうだが、さすがの優勝だった。

有言実行が
指導につながる



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