剣道の技 足さばき

自習足さばき(井島 章)

2020年8月31日

2020.8 KENDOJIDAI

剣道は足がいのち。竹刀四分運足六分とも、竹刀三分運足七分ともいわれる。いつまで続く稽古自粛、それならいまこそ徹底しよう自習足さばき。一流剣士が実行している足さばきの稽古を公開する。

井島 章教士八段

いじま・あきら/昭和32年秋田県生まれ。本荘高から日本体育大に進み、同大学研究員を経て昭和59年、国際武道大学の開学とともに、同大学の教員となる。寬仁親王杯八段優勝大会、全日本東西対抗、全国教職員大会出場など。現在、国際武道大学教授、同剣道部部長。剣道教士八段

歩み足・送り足・継ぎ足・開き足。剣道には四つの足さばきがある。とかく送り足を重点的に稽古するが、三つの足さばきも重要であり、この足さばきを身につけることで剣道の幅を広げることが可能となる。

四つのさばきを使い分ける

剣道は「一眼二足三胆四力」といわれているように足をとても大事にしています。主に攻める足は右足、打突を決断する足が左足ですが、この左右の足を巧みに遣うことができれば当然、攻めが効きやすくなり、打突の機会も生まれやすくなります。

代表的な一人稽古は素振りですが、素振りも足を大きく使って振ることが求められ、下半身の役割が重要です。相手を打つには、自分に近く、相手に遠い間合を取れ、と言われていますが、これを実現するには、攻めが効いた足さばきを駆使しなければなりません。

足さばきは、相手を打突したり、相手の技をかわしたりするための足の運び方です。足さばきは剣道の基本中の基本であり、正しい足さばきを習得できてこそ、多彩な技を身につけることができます。

剣道の足さばきは歩み足・送り足・継ぎ足・開き足の4種類あります。この中でもっとも使われるのは送り足であることは周知の通りですが、一人稽古に十分時間を割くことができる今、四つの足さばきを見直す絶好の機会です。開き足、継ぎ足、ときに歩み足を使うことで打突を発するときの拍子が変わります。どの足さばきも自在に使うことができれば、剣道の幅も広がります。



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