KENDOJIDAI 2024.7
世界大会で完全優勝をめざす日本代表は、男女別に合宿を実施。女子代表は4月12日から全日本少年剣道錬成会館、帝京大学で行ない、帝京大学、筑波大学、中央大学、法政大学、日本体育大学および郁文館高校(男子)と試合練習を行ない、本大会に向けて着々と準備を進めた。
世界大会に女子の部が創設されたのは、1997年の第10回大会(京都開催)だった。このときは女子国際選抜試合と位置付けられ、第11回大会(アメリカ・サンタクララ開催)は準公式試合、公式試合となったのは2003年の第12回大会(スコットランド・グラスゴー開催)からだった。
第12回大会から第17回大会まで女子は団体戦・個人戦ともにすべて日本が頂点に立っている。男子は毎回、韓国と紙一重の攻防を展開し、韓国以外でもアメリカやカナダ、さらに開催国イタリアをはじめとするヨーロッパ勢も実力をつけている。一方、女子は他国との実力差があると言われているが、勝負は何がおきるかわからない。
「まずは100パーセントの力が発揮できるように仕上げていきたいです。ご指摘の通り、なにが起きるかわからないのが試合ですが、ミスを恐れるのではなく、積極的に勝負を仕かけていくこと。気迫で勝っていなければ、技は出ませんので、そのあたりをしっかりと調整していきたいと思います」と竹中健太郎監督は言う。
竹中監督自身は第11回大会に選手として世界大会に出場、個人戦2位の実績を持つ。指導者としては第15回、16回、17回大会で宮崎正裕監督のもとコーチとして女子代表をサポートしてきた。今大会は初の監督、コーチは世界大会4回出場の髙鍋進教士八段、川越愛錬士七段が務める。
今回の合宿は筑波大学、中央大学、法政大学、日本体育大学、帝京大学などの学生剣道界の強豪チームと練習試合を重ねて勝負勘に磨きをかけた。
練習試合は日本チームを2チームにわけて、学生チームが対戦する方式が採用された。今回、筑波大学から川合芳奈選手、法政大学から水川晴奈選手が日本代表に選出されており、それぞれ所属との練習試合では本番さながらの白熱した攻防が展開されていた。
日本代表は残り2回の合宿を経てイタリアに渡る。剣道日本代表は結果を求められることはもちろん、現地ではあこがれの存在として、練習会場での様子から試合内容まで一挙手一投足まで注目されている。そのプレッシャーは想像を絶するものがあるが、竹中監督が期待している通り、選手10人が100パーセントの力を発揮し、最高の結果を残してもらいたいと願っている。
この10人のメンバーが一丸となって団体・個人完全優勝をめざす。
渡邊タイ選手(主将・熊本県警察)
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