「交剣知愛」は剣道でよく使われる言葉のひとつです。剣道が縁で知己を得、剣道を共に楽しむなどという意味で使われることが多いようです。しかし、「交剣知愛」にはもっと深い意味があるのです。
横山紀夫
よこやま・のりお/昭和15年、高知県安芸市生まれ。安芸高校、早稲田大学卒。剣道教士五段。50年余少年剣道指導(風の庵道場)を行う。商社経営のかたわら長年ドイツ、イタリアなど海外においても剣道指導にあたる。母校の先輩でもある玉利嘉章(三之助)範士九段の薫陶を受ける。昭和の剣聖と謳われた持田盛二範士十段などの稽古や立合を直に拝見できた最後の世代。
実は、「交剣知愛」は、玉利嘉章先生(範士九段)が常々話されていた言葉です。玉利先生は私の母校(早稲田大学)の大先輩、私の在学当時の総監督で、「交剣知愛」についてこう話されていました。
「愛は[おしむ]とも読む。去り難い、後ろ髪を引かれる思い。『剣を交えて、愛しむを知る』、稽古をお願いした後、このままお別れしたくない、また稽古をお願いしたいという気持にかられる。相手にそう思われるような剣道でないと……」
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