KENDOJIDAI 2024.10
聞き手=寺岡智之
写真=西口邦彦
「勝ったという実感がなかった」という前回大会から6年。星子啓太選手はふたたび世界の舞台に立った。全日本選手権での明暗やライバル松﨑選手との関係、そして日の丸を背負うことへの想いなど、世界の頂点にたどり着くまでの歩みを本音で語ってもらった―。
日の丸を背負うプレッシャー
自信を取り戻した警察大会
ー星子選手は今大会が世界大会2度目の出場となります。初出場は6年前の韓国大会ですが、そのときとは気持ちの入り方も違いましたか?
まったく違いました。前回大会は世界大会に出ることが第一で、自分が決勝の舞台に立つなんて想定もしていなかったです。その分、不安が先立ちましたし、自信をもって試合ができていなかったと思います。そこからは、次回大会では団体個人ともに出場して、団体戦の決勝で自分が勝つことも想定しながら稽古に取り組んできました。そういった意味で、気持ちの持ち方は別物だったと思います。
ー韓国大会当時のインタビューでも語っていましたが、あの大会での結果は、星子選手にとって満足のいくものではなかったそうですね。
優勝できたことは満足でしたが、自分の試合自体は勝ったという実感がなくて、わだかまりのようなものが残っていました。そのわだかまりをどうやって活かしていくのかが大切だと思っていましたし、次は自分もまわりも納得する勝ち方がしたいという気持ちは、この6年、ずっと持ち続けていました。
ーそのわだかまりは今大会で払拭できましたか?
自分のやるべきことはまっとうできたと思います。ただ、個人戦に関してはそこまで納得はいってないので、韓国大会の思いをすべて回収できたかと言ったらそうではないのかなと。でも、やってきたことに間違いはなかったと思います。
ーこの6年間でのご自身の成長についてはどう感じていますか。
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