KENDOJIDAI 2024.10
聞き手=寺岡智之
写真=西口邦彦
「勝ったという実感がなかった」という前回大会から6年。星子啓太選手はふたたび世界の舞台に立った。全日本選手権での明暗やライバル松﨑選手との関係、そして日の丸を背負うことへの想いなど、世界の頂点にたどり着くまでの歩みを本音で語ってもらった―。
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恩師・米田監督の支えがあってピンチを乗り越えることができた
ー4月には個人戦にもエントリーが決まりました。そのときの気持ちを教えてください。
個人的に、ダブルエントリーは松﨑選手が濃厚かと思っていたんです。私と比べたときにも、実績では松﨑選手の方が上でしたから。だから自分がダブルエントリーの一人に選ばれたときはうれしかったですね。
ーイタリアに入ってからの調整は順調でしたか。
はい。全体練習が終わった後も、私と松﨑選手で残って稽古を続けたり、自分のペースで調整できていました。
ー大会初日、女子個人で日本選手が上位を独占しました。その結果を受けて感じたことはありますか。
女子の強さは知っていたので、驚きはまったくありませんでした。男子もベスト4独占を目指していましたが、そんなに簡単ではないことは分かっていましたし、誰が負けてもおかしくないくらいに考えていたので、女子の結果を見て気持ちに変化が起きることはなかったです。
ー優勝した近藤美洸選手は警視庁の先輩ですね。
これまで警視庁で個人優勝をされている方がいなかったので、自分はひそかにそこを狙っていました。先に達成されて悔しかったです(笑)。近藤先輩にはすごくよくしていただいているので、本当にうれしかったですし、素直にすごいなと思いました。
ー2日目は男女団体の予選リーグでした。星子選手は先鋒で起用されることが多かったと思いますが、どこのポジションで戦いたいとかはありましたか。
合宿を通して先鋒が多かったので、使っていただけるなら先鋒かなと思っていました。自分自身、先鋒タイプではないと思うんですけど、自分が勝つことが絶対的にチームにプラスになると考えて試合に臨みました。
ー毎大会、日本代表の試合ぶりは各国から注目されています。その意味で重圧のようなものはありませんでしたか。
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