2024.12 KENDOJIDAI
取材=栁田直子
港町横浜の浜中学校では、部活動から剣道を始めた「初心者の中学生剣士」が生き生きと活動する環境があった。元同中学校教諭の寺澤明教士七段(外部指導員)指導のもと、伸び伸び剣道を行なうためのノウハウを伺った
寺澤明部活動指導員(教士七段)

浜中学校OBである寺澤教士は、國學院大學卒業後中学校教員となった。浜中教諭を最後に定年退職、現在は同校で部活動指導員をつとめる。
山尾陽子顧問(五段)

浜中赴任10年目となる山尾さんは、埼玉大時代に全日本女子学生優勝大会で優勝。
「稽古内容については、寺澤先生が『この大会までにここまでできるようになる』という稽古計画を立てて実践しています。一人一人が上達するためにどうするかを細かく考えて下さっています。私達顧問はそのサポートをしたいと考えています。とくに、チームをつくるための意識を高めることについて考えています。生徒とコミュニケーションを取りやすい環境を心がけています。初心者でも勝てるチームというのは、『チーム力』が鍵を握るのではないかと思います」
今野康志顧問(五段)

浜中赴任2年目の今野さんは少年期に地元道場で剣道を経験。山尾さんとともに寺澤教士をサポートする。「毎年、男女ともにチームが組めるくらいの人数が在籍するくらいに入部希望者がいます。男子はマイペースな生徒が多いのですが、『こうしてみたら?』といった提案をするなどして、なるべく能動的に動けるように導きたいと考えています。先輩の行動をみて『こうしなきゃ』と考えられるように学んでいるのを見ると、人としての成長を感じます」
中学3年間で
基本要素を楽しく学ぶ
横浜市立浜中学校。戦後まもなく開校した本校は、地元磯子区の生徒たちが通う学校。剣道部には地元の少年剣道で学んだ生徒も在籍しているが、毎年初心者が半数以上入部しているという。
剣道部を指導するのは、元教員の寺澤明教士七段(部活動指導員)。浜中OBである寺澤教士は、國學院大學を卒業後、地元横浜市の中学校社会科教員となった。赴任先では初心者が多い学校で剣道部を指導し、全国大会や関東大会への出場に導いている。最後の赴任校となった母校・浜中学校で12年間勤務(再任用含む)。その後、部活動制度ができ、部活動指導員3年目になる。
「浜中はもともと剣道の強い学校でした。第1回全国中学校剣道大会の出場校は浜中でした。その時私が中学2年生で選手ではありませんでしたが、3年生の先輩方が県大会を勝ちあがりました。ところが、その後はずっと県大会にも出られない時期が続きました。私が教員として赴任してからは︑皆で協力し合い︑初心者が中心のチームですが県大会に出られるようになりました」
現在、3年生は男子4名(内2人は少年剣道経験者)・女子4名だが、この中で6名は初心者入部してきた。
現在1・2年生たちが主体となって稽古している。男子は2年生の山本主将をはじめ経験者が多く、1、2年生合わせて5名。女子は2年生の女子は1名が経験者、4名が初心者。1年生は2名が経験者、2名が初心者。
20年近く浜中剣道部に携わる中、コンスタントに県大会や関東大会出場を果たしている。
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