2024.8 KENDOJIDAI
撮影=笹井タカマサ
「構えや剣先の作用は、常に打突に結びつけることが大切です」と栄花直輝教士は強調する。その技法を尋ねた。
栄花直輝 教士八段
剣道は竹刀を介して有効打突を奪い合うものです。五分の気持ちで技を放てば剣先と剣先がぶつかります。そこで竹刀で払ったり、押さえたりしながら中心を取る作業が必要になるのですが、攻め勝つには相手を平面ととらえるのではなく、球体としてとらえることが必要と考えています。
〝球体でとらえる〟のはあくまでもイメージで、攻防一致で相手の状況をよく見ながら柔らかく中心を制します。間合を切るときも逃げるのではなく、さばきながら応じられることが大切で、常に相手より優位な状態をつくることが理想です。
剣道の打突部位は面、小手、胴、突きの4種類です。面を狙うには相手の剣先を下げたり、開かせたりしなければなりません。そのためには手元を攻めなければならず、手元を攻めた瞬間、相手が不用意に出てくれば、応じ技を打つ機会が生まれます。「技はどこを打つかではなく、いつ打つか」が重要なのは、そのためです。
剣道は、最後は気力と気力の戦いになりますが、旺盛な気力は、稽古で実力をつけないと身につけることはできません。構えから注意し、攻めて崩して打ち切り、残心までしっかりとつなげる稽古を実践することが大切です。
安定した足構えをつくる
残りの記事は 剣道時代インターナショナル 有料会員の方のみご覧いただけます
No Comments