構え

活きた構え(​​栄花直輝)

2024年8月19日

2024.8 KENDOJIDAI

撮影=笹井タカマサ

「構えや剣先の作用は、常に打突に結びつけることが大切です」と栄花直輝教士は強調する。その技法を尋ねた。

栄花直輝 教士八段

えいが・なおき/昭和42年北海道喜茂別町生まれ。東海大第四高校(現東海大札幌)から東海大学に進み、卒業後北海道警察に奉職。全日本選手権大会優勝、世界選手権大会団体優勝4回・個人優勝、全日本都道府県対抗大会優勝、全日本選抜七段選手権大会優勝2回(熊本)、全日本選抜剣道八段優勝大会優勝3回など。現在、北海道警察本部教養課術科指導室長、北海道大学剣道部師範など。剣道教士八段。

 剣道は竹刀を介して有効打突を奪い合うものです。五分の気持ちで技を放てば剣先と剣先がぶつかります。そこで竹刀で払ったり、押さえたりしながら中心を取る作業が必要になるのですが、攻め勝つには相手を平面ととらえるのではなく、球体としてとらえることが必要と考えています。

〝球体でとらえる〟のはあくまでもイメージで、攻防一致で相手の状況をよく見ながら柔らかく中心を制します。間合を切るときも逃げるのではなく、さばきながら応じられることが大切で、常に相手より優位な状態をつくることが理想です。

 剣道の打突部位は面、小手、胴、突きの4種類です。面を狙うには相手の剣先を下げたり、開かせたりしなければなりません。そのためには手元を攻めなければならず、手元を攻めた瞬間、相手が不用意に出てくれば、応じ技を打つ機会が生まれます。「技はどこを打つかではなく、いつ打つか」が重要なのは、そのためです。

 剣道は、最後は気力と気力の戦いになりますが、旺盛な気力は、稽古で実力をつけないと身につけることはできません。構えから注意し、攻めて崩して打ち切り、残心までしっかりとつなげる稽古を実践することが大切です。

安定した足構えをつくる



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