※この記事は『剣道時代 2020年2月号』に掲載されたものです。
第67回全日本剣道選手権大会インタビュー
得意の面技で並み居る強豪を相手に一歩も引くことなく渡りあい勝ち上がった松﨑選手。その勝利の秘訣は理合に基づいて磨いた技術と、強固なメンタルにあった。強さを生み出した環境や全日本選手権に至るまでの取り組みについて伺った。
全日本選手権は惜しくも準優勝に終わったが、その冷静で堂々とした戦いぶりは多くの人々の目に焼きついた。今回のインタビューは、その全日本選手権での自身の試合分析やそこに至る道程について、晩秋の筑波大学で語ってもらった。
悔しさをバネに自身の剣道を見つめ直した
全日本選手権の大舞台は2回目の出場、どんな心持ちで臨んだのか。
「昨年の初出場でもそうでしたがあまり緊張はしなかったです。1回戦はさすがに緊張がありましたが、あとはスムーズに戦えました。全剣連の強化に参加させていただいており、選手権に出場している同じような方々と稽古をさせてもらっているのは大きかったです。強化では基本の打ち込みや地稽古が中心で、いまのところ先輩方と試合をすることはありませんでしたが、剣道に取り組む姿勢や気概が非常に勉強になりました。また今年は地元・茨城国体が開催されました。そちらでも毎月警視庁に伺わせていただくなど警察の方々と剣を交える機会が多かったです」
全日本選手権の行われたちょうど1ヶ月前に地元で開催された国体では先鋒として活躍し、オール二本勝ちという好成績で、茨城県を優勝に導いた立役者となった。特別選抜講習会(通称:骨太)から全日本の代表強化選抜メンバーへの参加はちょうど1年前の11月だった。そしてその冬から翌年に向けて、著しい成長を遂げる。強化や国体での環境面はもちろん松﨑選手自身の中でも大きな変革があった。
「去年(2018)の全日本学生剣道優勝大会の決勝戦で中央大の清家選手に二本負けしてしまいました。さらに翌月の関東学生剣道新人戦では同じ島原高校の同期であった松尾選手(明治大)に敗れました。負けるわけには行かないという気持ちが強くて、まとまりがないというか、雑になっていました。その反省からメンタルの強化や自分の剣道を見直すことになりました。冬から春に向けて、自分を変えるきっかけになったものです」
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