昇段審査

八段合格の秘密2018(5月編)

2021年1月18日

2018.9 KENDOJIDAI

剣道界最難関、八段審査に合格した剣士たちの手記。ここに昇段合格の秘密がある。

世界の剣友と交わり、剣道観が変わった

東倉雄三(神奈川)とうくら・ゆうぞう/昭和43年和歌山県生まれ。平塚江南高から同志社大に進み、卒業後ソニー株式会社に入社。現在、ソニービジネスソリューション株式会社勤務

年間100回稽古を目標にSNSで互いを励まし合う

 稽古については具体的な稽古方法は、特別なことはしておりませんが、加齢とともに、体力が落ちてくるので、稽古中に呼吸を意識する機会は増えていきました。虚実の実を長く、打ち間での打突の機会を、呼吸を意識して行う様にしました。自身の癖で、面を打つ時上に抜けてしまうことが多く、前に打つ意識をしていました。

 サラリーマン剣士であることと、出張の回数も多いことから、稽古時間の捻出は意識して行ないました。3年ほど前から「年回100回稽古」を掲げ、記録を付け自身の励みにしました。SNS等で全世界の剣友と励ましあって、稽古回数を意識して行なえたことも良かったと思います。海外も含め、出張時には極力防具を忍ばせ、稽古時間の捻出をするようになりました。受け入れて頂いた道場の剣道関係者には、感謝の気持ちが絶えません。この場を借りて、お礼を申し上げたいと思います。

 また、私は剣道の他にゴルフ、ラグビーを趣味としております。ゴルフの後にも稽古が出来る時は、行ってまいりました。ラグビーでは、基礎体力の他、体幹が鍛えられ、普段のトレーニングを行う際に体幹トレーニングは効果があったと思われます。

 会社の出退勤時を中心にエレベーターは使わず、上り下りは階段利用をしておりました。他、移動中等の生活の隙間時間を使って、剣道雑誌等の著名な先生方のご指導の記事は良く読んでおります。読みながら、当日の稽古では、試してみることも多く、発見、反省、感謝の連続です。

8年間の海外駐在。世界の剣友と一期一会を経験

 2004年から2009年まで中国北京に駐在。その後台北に異動し、2012年まで合計約8年海外駐在を経験しました。駐在地を中心に、アジア各国を始め、出張を合わせ世界各国の剣道家との出会いが、自身の今までの剣道観を大きく変えました。

 毎年、春先に香港でアジアオープン剣道香港大会が開催されておりますが、香港において、アジア各国のローカル剣士、駐在員、駐在経験者を中心に、審査会、各種大会が開かれております。

 北京赴任当初、直ぐにこの大会に出場させて頂き、中国以外の世界各国の剣道家の方の姿を拝見しました。

 剣道環境に恵まれた日本の環境とは違い、恵まれない環境にも関わらず、一心不乱に剣道に打ち込む海外剣士と、その剣士を支える現地駐在員を中心とする指導者の献身的な姿勢に感動しました。

 一期一会を大切にし、たとえ言葉が通じなくても、剣道を通じ、世界各国の剣士と交流が出来ていることは、今日の自身の剣道観に大きな影響を与えております。年間100回稽の原動力にもなっております。

 また、第13回世界剣道大会(ブラジル大会)時に、中華人民共和国がFIKに加入すると同時に、初めて世界大会に出場する際に、国家チームのヘッドコーチを務めさせて頂きました。世界各国で奮闘する剣士との交流は元より、仕事との両立を駆使される指導者の方々の尽力を目の当たりにすることも、自身の現在の剣道に取り組む姿勢の原点の一つにもなっております。

55歳になって見つめ直した3つの課題

数馬広二(東京)かずま・こうじ/昭和37 年千葉県生まれ。長生高から筑波大、同大学院に進む。現在、工学院大学教育推進機構保健体育科科長主任教授



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