発声

おどろくべき発声の効果とは?(神崎 浩)

2024年3月4日

KENDOJIDAI 2014.11

神崎 浩 教士八段

昭和35年宮崎県生まれ。延岡高校から筑波大学、同大学院を経て大阪体育大学で教鞭を執る。主な戦績として、全日本選手権大会出場、全国教職員大会団体優勝、全日本都道府県対抗優勝大会優勝、全日本選抜七段選手権大会3位、全日本東西対抗大会出場などがある。現在は大阪体育大学体育学部教授、同剣道部総監督を務める

 現代剣道における発声には、以下のような意味があると考えています。

一、相手に自己の勢いを示す。

二、自己の充実を図る(心理的作用)
三、合理的運動を可能にする(生理学的作用)

 このように表現するとやや難解に感じるかもしれませんが、昔から剣道では「大きな声を出せ」と教えられ、大きな声を出すことで上記のような効果が得られるということは、体験的に理解できると思います。

 わたしは発声により体幹の力を充実させることができると考えています。人間の身体を100とすると、上半身が65パーセント、下半身が35パーセントでできていると言われています。その上半身と下半身をつなぐのが体幹です。充実した発声により体幹を鍛えることができ、体幹を充実させることで構えが安定し、攻めに迫力が生まれ、打突に勢いが出ると考えています。ただし、発声も技術の一つですので、充実させるためには稽古の積み重ねが大切です。剣道の稽古は、素振り・切り返し、打ち込みなどがありますが、ひとつひとつ丁寧に行ない、惰性で行なわないようにします。

 また実戦においては声を出していい局面、出してはいけない局面があります。間合が詰まれば当然、息も詰めていかなければなりませんので、そのことについても紹介したいと思います。



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