構え

左足は剣道の根幹だ(平田裕亮)

2024年10月14日

2024.10 KENDOJIDAI

第一線で活躍してきた平田教士がめざした剣道は、合気になり、相手を遣う剣道。そのためには、崩す・引き出す工夫を行なう必要がある。そのための左足の使い方について、ご解説いただいた。

平田裕亮 教士八段

ひらた・ひろあき/昭和46年香川県まんのう町生まれ。琴平高から国士舘大に進み、卒業後大阪府警察に奉職する。全国警察大会団体1部優勝、世界大会団体優勝、全日本東西対抗大会出場、全日本都道府県対抗大会優勝など。現在、大阪府警察学校剣道副主席師範。

 現在私は大阪府警察学校にて、初任科生たちを指導しています。彼らは剣道未経験がほとんどですが、士気は高く、学ぶ姿勢に驚かされることがあります。その中でまだまだできなかったと気づかされることが多々あり、私も勉強させていただきながら稽古を行なっています。

 私は令和元年に八段審査に合格させていただきました。今から6年前、47歳の時になります。審査を受審する過程において、自分の意思で相手を攻め崩すよりも、合気になる剣道を意識してから、攻め入る時の足と誘う時の足の使い方について学ぶようになりました。また、以前は攻めて崩して打つ剣道が主でした。年齢が上がるにつれてそれだけでは相手に通用しなくなってきました。そこで相手を引き出す、居つかせる必要が出てきました。

 そうなると、足の遣い方に工夫が必要になります。互いに構え合ったあと、先を取る際には左足の位置が重要です。いつでも打てる左足をつくることが理想的であり、そのために左足・左拳の位置をいかに有利な状態に置くかを重要視しています

 有利な足の位置を確保するためには、左足の動きを相手に悟られないようにしなければいけません。自分に有利な間合に入る際、気を付けないと相手に察知され、捌かれる、あるいは応じ返されるといったことになるため、所謂「射程距離」に入るまでの間合の取り方について意識するところから始めました。

 そのため、若い時分のような「自分勝手な打突」は、戒めるようになりました。自分勝手な打突により打突の好機を逃していた反省点から、合格時(3回目の受審)ではとくに我慢という点に注目し、少しでも相手が出てこなければこちらも出ないぞと腹をくくって立合に臨みました。

 1、2回目の受審は自分の力を見せる立合、3回目(合格時)の受審は「合気になって相手を引き出して打ち切ることを意識した立合」の違いがあったのではないかと思います。

左足が抜けずに、納まる構え



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