全日本女子剣道選手権大会

高橋萌子インタビュー:もう一回、獲りたかった

2026年1月19日

KENDOJIDAI 2026.2
撮影= 笹井タカマサ
取材= 栁田直子

7年ぶり3回目の決勝の舞台を踏んだ時、「絶対に獲る」と、自分自身にあえて負荷をかけたという高橋選手。選手としての本能が、そう言っていた。試合中盤、相手が技を出そうとしたところで引き面。一瞬の隙も逃さない、百戦錬磨のなせる業だった。

高橋萌子

たかはし・もえこ/平成5年新潟県生まれ。守谷高から法政大に進み、卒業後神奈川県警察に奉職する。世界大会団体優勝4回、全日本女子選手権優勝3回、全国警察選手権大会優勝など。剣道錬士六段

執念で手繰り寄せた勝機

「『絶対優勝するんだ!』と、内に秘めた思いがありました。一週間くらい前から、優勝した時の試合の動画を見返したり、『会場の入り方』などのイメージを自分の中でくり返ししていました。普段の試合前はあまりそういうことをしないのですが……」

 少し顔を上げ、天井に目をやりながら、あの日のことを淡々と振り返った高橋選手。もともとさっぱりとした性格で、過去の優勝した試合を見返すなどはしないタイプ。だが、今回はいつもと違った。

「なぜでしょうね。当日、試合に入って、(勝ち上がるにつれて、今回は)『チャンスかもしれない。今回は逃しちゃいけない』という予感がありました。なんとなく『今日の自分ならいける』という肌感覚がありました」

 剣道は勝ち続けるのが難しい競技だと言われている。全日本女子選手権のような最高峰の大会ではなおさらだ。優勝するには、その人がもっている技術以外にもその日の体調、勝ち上がり方、気持ちの持っていき方、さまざまな要素が絡み合う。今回は、それが合致した。



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