インタビュー 全日本女子剣道選手権大会

第58回全日本女子剣道選手権大会インタビュー

2020年10月19日

2019.11 KENDOJIDAI

決勝戦で皇后盃を争ったのは、6年ぶりに決勝の舞台に上がってきた大阪の山本真理子選手と、4年ぶりに決勝まで駒を進めた松本弥月選手。序盤豪快な面を奪った松本選手が山本選手の猛攻を凌ぎ切り皇后盃を手にした。三位には渡邊タイ選手(熊本)と筑波大学4年の竹中美帆選手(茨城)が初入賞を遂げた。

4年ぶりの皇后杯優勝・松本弥月(神奈川 ・ 神奈川県警)

2回目の優勝を遂げた松本選手。日本のエースが再び皇后杯を手にした。

「やっぱり嬉しいです。この3年間、自分のどこがダメで勝てなかったのか、この大会について葛藤した3年間でした」

世界大会団体・個人、警察大会では個人優勝と抜群の成績を残していたが、本大会に関してはこの3年入賞もかなわなかった。それが松本選手の心の中でくすぶり続けていた。

「 『ここで取れなかったら二度と取れないぞ』というプレッシャーをかけるつもりで臨みました。これまで、全日本女子選手権のことを甘く見ていた自分がいたのかもしれません。頂点ばかりを見過ぎて、目の前の足元のことが見えていなかったです。今日は一試合、一試合、一つずつの成長でもいいから少しずつ調子を上げていこうとして、夢が実現できたのかな……」

目の前の試合に全力で取り組んだという松本選手。彼女の所属する神奈川県警察・剣道首席師範の宮崎正裕教士八段は戦いぶりについて「バランスの良さ」をあげた。

「仕掛け技、引き技、出ばな技と様々な機会で技を出していました。一つの技に偏らなかったのがいいですね。とくに決勝戦はよかった。先を掛けて攻めの剣道が出来ていました。あのような接戦の場面でも、捨て切った技が出ていました。決まった技は、跳び込み面でした。山本選手が入り端を狙ったのか、やや動いたところを松本が攻めて打っていきましたが、カウンターのように入った感じがありましたね。最後は一番いい技でした」

と、教え子の健闘をたたえていたが、松本選手自身、 「絶対に勝つ」という確固たる決意をもって決勝に臨んでいた。「相手が先輩ということもありますし、最後だけは優勝を意識して、相手が誰であろうと絶対に勝つ、それだけを意識していました」結果、4年ぶりに自身のもとへと戻ってきた皇后杯。

「初優勝の時も嬉しかったですが、今回の場合は1回勝ったあとに負けて、それから再び獲るまでに苦しい思いをしてきたので、その分、倍に嬉しいですね。やっと戻ってきてくれました」これ以上ないかたちの結果となったが、来年以降はまた一からのスタート。全日本女子、2年後の世界大会などに向けてまた一から精進していく。

あと 一歩……2位・山本真理子(大阪 ・ 大阪府警)



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