2021.4 KENDOJIDAI
撮影=笹井タカマサ
取材=栁田直子
竹中健太郎
たけなか・けんたろう/昭和47年兵庫県生まれ。PL学園高から筑波大学に進み、卒業後鳥取県高校教員となる。平成20年4月より鹿屋体育大学教員。世界剣道選手権大会個人2位、全日本剣道選手権大会ベスト8、全日本東西対抗出場、全国教職員大会個人・団体優勝、全日本選抜剣道七段選手権大会2位など。現在、同大学体育学部准教授、男子剣道部監督、第15回~18回女子日本代表コーチ。鹿屋体育大学大学院体育学研究科博士後期課程修了。博士(体育学)。剣道教士八段。
竹中教士は平成20年4月に鹿屋体育大学に赴任して以来、男子監督として剣道部を2回、団体日本一に導いている。平成22年からは剣道女子日本代表のコーチとして女子強化の一員に加わり、多忙な日々を過ごしていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で生活は一変した。
「全日本剣道連盟から対人稽古自粛要請が出されてから稽古を自粛し、自粛解除後はガイドラインを踏まえた稽古内容に変更し、取り組んでいます。本剣道部の稽古上のルールを細かく規定し、厳密な感染拡大防止対策を講じて稽古を実施しています」
2020年は学生剣士にとって最大の目標である全日本学生剣道選手権大会、全日本学生剣道優勝大会が中止になった。九州学生剣道連盟は10月に全九州学生剣道優勝大会を実施し、学生たちは一つの区切りをつけることができた。しかし、不完全燃焼感はあったにちがいない。
「もともと本学は部員が100名を超えていて、大会に出場できる学生は約1割です。武道課程で学ぶ学生たちなので、大会はもちろん重要な位置づけではありますが、学問として剣道をとらえることが大切です。また、ここ近年で学生の規範意識が随分と低下したと感じています。もちろん私の指導力不足と受け止めていますが、そういった意味から、将来的な自己の確立という観点で剣道に取り組んでほしいということを強調してきました。とはいえ、トップ層の学生が大会中止によりモチベーションを落としてしまうと、全体の士気にかかわってきます。部活動が例年の3割程度しか実施できませんでしたが、気持ちを切り替えて取り組んでいたと思います」
コロナ前、鹿屋体育大学では週2回の朝稽古、夕刻2時間程度の稽古を実施していた。部員100人が一堂に会し、伝統の三段稽古と呼ぶ打ち込み稽古で学生たちは鍛えられる。
「大所帯で一斉に稽古ができるメリットは技能優秀な学生に引っ張られ、その他の学生が同化していくということです。同じ環境で稽古をすることで細かな説明がなくても、観て学び、剣を交えることで剣道の力が付いていきます。いまは稽古人数が最大で25名程度にしないといけないので、コロナ前と同じような稽古ができません。剣道は『百錬自得』の教えの通り、数をかけて稽古を繰り返さないと身につかないことが多くあります。そのあたりの量と時間など、コロナ禍における稽古の実施方法を考えているところです」
日本女子代表コーチ
トップチームの指導で学んだこと
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