岩立三郎:松風館奥伝

岩立三郎 剣道講義:松風館奥伝6、手の内

2020年1月6日

※この連載は『剣道は乗って勝つ』から抜粋したものです

親指と人差し指の力は抜く
常に斬り手で竹刀操作ができること

岩立三郎(いわたて・さぶろう)/昭和14年千葉県生まれ。千葉県成田高校を卒業後、千葉県警察に奉職する。剣道特練員を退いた後は、関東管区警察学校教官、千葉県警察剣道師範などを歴任。昭和53年から剣道場「松風館」にて剣道指導をはじめ、現在も岩立範士の指導を請うべく、日本はもとより海外からも多数の剣士が集まっている。現在、松風館道場館長、尚美学園大学剣道部師範、全日本剣道連盟審議員、全日本剣道道場連盟副会長、全日本高齢剣友会会長。剣道範士八段。

肩甲骨を意識して上半身の力を抜く
身体の正中線に一本の芯を通して構えをつくる

剣道は「手で打つな、足で打て」と言われているように、下半身の働きを重視しています。とくに左足の働きが重要になりますが、上半身をおろそかにしてよいということではありません。下半身と上半身は連動しており、上半身に問題があれば下半身に影響を及ぼし、下半身に問題があれば上半身に影響を及ぼすのは周知の通りです。

上半身については肩甲骨を意識し、胸を開いて構えることです。腰が曲がり、胸がすぼんだ状態で構えると、相手を下から見上げるような構えになります。このような構えだと腹式呼吸ができず、呼吸が胸式になります。胸式呼吸では下腹に力が溜まりませんし、相手の攻めにも反応しやすくなります。

肩甲骨を締めて上半身の力を抜いて構える

肩の力を抜き、胸を開くには肩甲骨を背骨に向けて締めることです。肩甲骨を締めれば自然に胸が開き、肩の力が抜けるはずです。下腹に力が入りますので、腹圧を意識できるようになります。この状態で構えます。
構える際は、身体の縦軸を意識し、そこに一本の芯を通すような気持ちで立ちます。この構えを鏡の前だけでなく、相手と対峙したとき、攻め合ったときに極力崩さないことが大切です。
剣道は対人動作ですので、どうしても「打ちたい、打たれたくない」という気持ちが働きます。そのような気持ちになると呼吸が浅くなり、左手が必ず動きます。言うは易し、行なうは難しですが、意識して取り組みたいものです。



残りの記事は 剣道時代インターナショナル 有料会員の方のみご覧いただけます

ログイン

or

登録

登録


Subscribe by:

You Might Also Like

No Comments

Leave a Reply