※この記事は『剣道時代 2017年9月号』に掲載されたものです。
高校剣道の歴史を紐解いてみても、あの出来事はまさに〝空前絶後〟と言っていいだろう。創部1年目、1年生チームによるインターハイ出場。快挙を成し遂げた明豊高校を率いているのは、かつて日田高校を日本一に導いた名将・岩本貴光監督である。
「明豊高校には剣道を学ぶ最高の環境がそろっています。今いる子どもたちはその環境に感謝をして、長きに渡る伝統の礎をつくってもらいたい」。わずか数ヶ月で部員を全国区にまで引き上げた、岩本指導法の核心に迫る―。
至短稽古+α
「至短稽古」とは、岩本監督が20年にわたる教員生活のなかで見出した。少ない時間で〝実を上げる〟稽古の方法である。日本一を目指す高校のどれもが、豊富な稽古量を確保できているわけではない。それぞれの学校にはそれぞれの事情があり、制約のなかで精いっぱいの稽古に励んでいるのが実情である。
「剣道は数多く竹刀を振ることで得るものがたくさんあります。そのための時間を確保してあげるのも指導者の役割だと思いますが、学業が最優先である高校生活において、稽古時間を捻出することは簡単ではありません。しかし、子どもたちには日本一を目指して部活動に励んでもらいたい。そのはざまで出た結論が、いかにして一回一回の稽古で実を上げるか、ということです」
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