岩立三郎:松風館奥伝

岩立三郎 剣道レッスン:松風館奥伝13、目線を意識する

2026年5月18日

岩立三郎範士

いわたて・さぶろう/昭和14年生まれ、千葉県出身。成田高校を卒業後、千葉県警察に奉職する。剣道特練員として活躍し、選手引退後は関東管区警察学校教官、千葉県警察剣道師範などを歴任。昭和53年に千葉県松戸市に「松風館」を設立し、館長として現在まで後進の育成にあたる。岩立範士の指導を仰ぐべく、日本はもとより海外からも多数の剣士が門をくぐる。現在は松風館道場館長、尚美学園大学剣道部師範、全日本剣道道場連盟副会長、全日本高齢剣友会会長などを務める。剣道範士八段

「一眼二足三胆四力」という教えがあるように、剣道においては目の位置づけがもっとも高く、目の作用が勝敗を左右するといっても過言ではありません。言い換えれば、目の状態が剣道を変えるのです。たとえば、目線がぶれれば、姿勢、構えも崩れ、目線がぶれなければ、正しい姿勢、構えをとることができ、会心の一本を打つことも可能になるのです。

 私は相手と対峙する際、目線はどんな状態でも一定に保つように心がけています。また、相手の身長にかかわらず、上から相手を見下ろすような気分で構えています。そうすることで、正しい姿勢、構えが維持でき、相手の動きにも瞬時に対応できるようになります。

 このように上から相手を見下ろす目線は、さまざまな効果をもたらします。その効果について、私なりに考えてみました。

目線を意識する効果1

 最近、蹲踞をないがしろにしている方を目の当たりにします。蹲踞は獅子の位と呼ばれ、今まさに襲いかからんとする体勢です。蹲踞をおろそかにしていては、充分な気を持って試合に臨むことはできません。

 蹲踞をする際も目線は大切です。私は目線を下に落とさないようにしています。相互の礼から、蹲踞をして、立ち上がるまで相手の目から目線を外しません。瞬きもしないくらいが理想です。こうすると、丹田に溜まった気がよりいっそう充実し、試合開始とともに気の錬り合いに入れます。逆に目線が下に落ちると、腰が抜けた蹲踞になってしまいます。

 目線を相手から外さないよう訓練するには、日本剣道形を稽古することが効果的です。相手の目に目線をおきながら、瞬きしないように剣道形を打ちます。とくに刀を納めに退がるとき、構え直すときはもっとも目線が他の箇所へ移りやすいところです。ここで瞬きしないよう、意識するとよいでしょう。

目線を意識する効果2



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