KENDOJIDAI 2024.10
聞き手=寺岡智之
写真=西口邦彦
大学時代の全日本選手権制覇から、2度の世界大会出場を経て日本の大黒柱へと成長した竹ノ内佑也選手。「自分は本当に日の丸を背負うべき人間なのか」。悩み抜いた代表への想いと、世界一を手繰り寄せたイタリアでの奮闘について聞く―。
「代表候補から外して下さい」
首脳陣に伝えた想いと覚悟
ー今大会が竹ノ内選手にとっては3度目の世界大会優勝となりました。まずはそのお気持ちから聞かせてください。
大会が終わった瞬間は優勝できてホッとしたというのが正直な気持ちでした。あれから1ヶ月経ちましたが、今は次の目標に向けて準備をしているところです。
ーこれまでの2大会と今大会、竹ノ内選手の中でなにか違いはありましたか。
日本大会と韓国大会はそれほど違いを感じることはなかったのですが、今回はヨーロッパ勢の応援の凄まじさを目の当たりにして、「これが世界大会か」とはじめてそのすごさを感じた気がしています。いざ自分たちが試合をするときにはどんな雰囲気になるんだろうと、多少の不安もありました。
ー竹ノ内選手はそういった環境の変化による重圧をあまり感じないタイプだと思っていました。
そんなことないですよ(笑)。日本大会と韓国大会は若かったこともあって前を任されることが多かったのですが、今回は年齢的にも上になり、ポジションも後ろを務めることになりました。これまでは負けてもいいやくらいの気持ちで思い切って試合ができていたところもありましたけど、今回はチームのことを第一に考える必要があったので、そこも私の中で戦いの一つでした。
ー竹ノ内選手はつねづね「個人戦よりも団体戦が好き」と口にされていますが、普段の団体戦と世界大会では気の持ちようもまったく変わってきますか。
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