稽古方法 素振り

素振り徹底(岩立三郎)

2020年7月13日

2020.7 KENDOJIDAI

岩立三郎(いわたて・さぶろう)

昭和14年千葉県生まれ。千葉県成田高校を卒業後、千葉県警察に奉職する。剣道特練員を退いた後は、関東管区警察学校教官、千葉県警察剣道師範などを歴任。昭和53年から剣道場「松風館」にて剣道指導をはじめ、現在も岩立範士の指導を請うべく、日本はもとより海外からも多数の剣士が集まっている。現在、松風館道場館長、尚美学園大学剣道部師範、全日本剣道連盟審議員、全日本剣道道場連盟副会長、全日本高齢剣友会会長。剣道範士八段。

一人稽古で土台をつくる

一人稽古は剣道の力をつける上でもっとも大切な稽古のひとつです。新型コロナウイルス感染拡大の関係で大会や講習会は中止、審査会は延期というかつてない事態です。松風館も稽古中止の状態が続いています。こんな時こそ剣道を見つめ直す時期と考えています。

一人稽古だけで実力を伸ばすことは困難ですが、来る稽古に向けて一人稽古で準備をし、道場の稽古で確認するようなかたちができれば稽古の質が格段に上がります。

これまで私が取り組んできた一人稽古といえばランニングと素振りです。私は剣道の力をつくるもとは、身体をつくることだと思います。「健全な肉体に、健全な精神が宿る」ではないですが、剣道でもまったく同じです。高野佐三郎先生は剣道の稽古ができないときに「走り込みと棒を振っておけば力は落ちない」と言われていたそうです。

一回の稽古を充実させるには、まず健康に注意し、しっかりと身体をつくることです。身体をつくれば技術の習熟度も上がります。技術の向上が実感できるようになれば稽古意欲もさらに上がり、もっと探究心が深まると思います。探究心が深まればいろいろなことに疑問がわき、さらに稽古意欲がわきます。身体をつくると心も潤ってくるのです。

走ることで剣道の基礎体力を着けてきた私ですが、小さい頃は走るのが苦手でした。千葉県警に入ってからも苦手で、後ろで走ってばかりでした。レギュラーで起用されるためには走って身体をつくらなければならないと一念発起したことがきっかけで、自分でも走るようになりました。私は剣道特練としては、ほとんど実績は残せませんでしたが、走ることはやめずに続けてきました。そのおかげでいまがあります。

また、一人稽古の王様といえば素振りです。剣道に限らず、野球、ゴルフ、テニス、卓球など、いずれも素振りにしっかりと時間をかけています。剣道の素振りは、竹刀さばきの原則的な事柄を体得するために重要ですが、実戦に役立つ身体の使い方も身につきます。

ただし、間違った方法で素振りをすると剣道が悪くなるので、注意が必要です。素振りをする上でいくつかの注意点を紹介します。



残りの記事は 剣道時代インターナショナル 有料会員の方のみご覧いただけます

ログイン

or

登録

登録


Subscribe by:

You Might Also Like

No Comments

Leave a Reply