※この記事は『剣道時代 2017年12月号』に掲載されたものです。
日本には様々な剣道大会があり、そのうちの一つである全日本実業団剣道大会には約250もの会社剣道部チームが参加する。毎年6月に関東実業団剣道大会、9月に全日本実業団剣道大会、3月に全日本実業団女子があり、企業で働きながらも剣の技を磨く剣士達がトップの座を争う。
2017年、全日本実業団剣道大会は創設60周年を迎えた。強豪実業団の中心選手による座談会、剣道部を立ち上げた創業社長インタビューなどを通して、社会人がどのように剣道と向き合い、仕事と両立させているのかを探る。
第一回となる今回は、関東で活動する強豪実業団の中心選手が集結し、実業団剣士が持つ疑問や悩みについて意見を交換。強くなるにはどうすればいいのか、仕事と剣道は両立できるのかなど、忌憚のない発言が飛び交った。
プロフィール
上原祐二(富士ゼロックス)うえはら・ゆうじ/昭和56年生まれ、福岡県出身。福岡大学附属大濠高校から中央大学を経て、富士ゼロックス株式会社に入社。錬士七段
すずき・ゆうへい/昭和62年生まれ、千葉県出身。安房高校から法政大学を経て、三井住友海上火災保険株式会社に入社。五段
いわかわ・ちから/平成元年生まれ、秋田県出身。秋田南高校から早稲田大学を経て、富士ゼロックス株式会社に入社。五段
さいとう・しょうご/平成2年生まれ、秋田県出身。秋田南高校から中央大学を経て、NTTに入社。四段
しゅうとく・のぶあき/平成4年生まれ、福岡県出身。福岡大学付属大濠高校から法政大学を経て、東洋水産株式会社に入社。四段
稽古時間を確保する工夫。朝稽古や質の高い稽古を心がける
―(編集部) このたびはお忙しいなか、お集まりいただいてありがとうございます。この座談会では実業団に身を置くみなさんが、日ごろどんなことを考え、実践しながら仕事と剣道を両立しているのかをお聞きできればと思います。座談会の司会は年長者である上原祐二さんにお願いしますが、まずは2017年9月に行なわれた全日本実業団大会について、それぞれの感想をお聞かせいただけますか?
上原 じゃあまずは弊社の岩川からいきましょう。
岩川 富士ゼロックスは、関東実業団剣道大会で優勝できても全日本実業団は獲れないという経験を何度もしていまして、今年はそのジンクスを払拭しようとチーム一丸で大会に臨みました。結果は6回戦敗退でしたが、強豪相手に絶対に勝つという執念が足りなかったと、反省しているところです。
チーム全員が同じベクトルで大会に挑むことができるか、そのあたりが今後の課題だと感じています。
齊藤 NTTは準々決勝敗退でした。関東大会は2回戦で負けてしまい、どう立て直して全日本へ向かうかをチームで多く話し合いました。2回戦で関東2位の伊田テクノス、上位にいけば関東王者の富士ゼロックスとあたることが分かっていたので、覚悟を決めて稽古には取り組んできたのですが、関西の東レの勢いに負けてしまったなと。
上原 西の勢いと強さを感じた大会だったね。
齊藤 はい。大会が終わってからは、今後はパナソニックや東レを倒せるように、稽古も工夫していかなければならないと仲間で話し合っています。
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