インタビュー 世界剣道選手権大会

草野龍二朗インタビュー

2024年6月3日

2024.7 KENDOJIDAI

撮影=笹井タカマサ

草野龍二朗

くさの・りゅうじろう/平成7年長崎県生まれ。長崎西陵高から鹿屋体育大に進み、卒業後大阪府警察に奉職する。全日本選手権出場2回ベスト16、全国警察大会団体1部優勝2位3位、全日本都道府県対抗大会優勝、国体出場など。剣道五段

運命の電話一報
日本代表の重みを実感した

 2024年4月3日、日本スポーツ協会記者会見室において、世界剣道選手権日本選手団発表記者会見が行なわれた。男子選手10名中、初出場は5名。その中に草野龍二朗選手の名前があった。今回唯一の上段選手だ。

「記者会見の前に、監督から電話でご連絡いただきました。『(日本代表に)選ばれたということで、覚悟をもって代表として日の丸を背負って一緒に頑張ろう』というお言葉が嬉しかったです」

 日本代表選手を選考する全剣連強化訓練講習会は、30数名より強化がスタートし、ふるいにかけられ10名に厳選される。総当たりのリーグ戦など厳しい内部選考を経て選手の座を勝ち取った。「日本代表に選ばれることが目標でしたので、まずはほっとした気持ちもありました。しかし同時に、『本当に日本を背負っていく重み』を感じました。日の丸を背負う戦いは初めてです。(世界大会の試合が)楽しみです」

 初めて強化合宿に呼ばれたのは鹿屋体育大学在学中の時だった。

「候補選手たちと練習試合をして、その際に『良い選手』と思っていただいたのか……。次の強化合宿から呼んでいただけるようになりました。初めて参加した時には、周りは憧れの選手の方々ばかりで『すごい』と思ってしまう場でした。呼んでいただいたからには頑張りたいと思いつつも、日本代表としての覚悟は、当時の時点で言えばまだ甘い部分はあったと思います」

 2018年の第18回大会では選考から漏れたが、大阪府警察に奉職し全国警察大会団体優勝などの経験を積むと同時に「選手としての覚悟」もつくり上げられていった。

「今回、上段選手で選ばれたのが私ひとりです。世界大会では優勝することが最大の目標ですが、同時に、日本の上段を世界に見せる機会だとも感じています。『上段ってすごいな』と思ってもらえれば……。勝負のこともそうですが、世界の方々と剣を交えるのも楽しみです」

 上段は火の位と言われる。攻撃に重きを置く構えであるが、胴や突きを相手に晒している状態。「打たれるリスクを乗り越え、打ち切る覚悟」が必要になる。

「『火の位』の教えを実践できるかはわかりませんが、勝負がかかったときに思い切りよく出られるタイプですので、そこは強味でもあるのかな……」

 試合に関して、「本番には強いタイプ」と、自己分析している。

「気持ちが大切ですよね。練習試合の場合はそこまででもないのですが、本番になると、ぐっと気持ちが入るというか……。『色々心配しても仕方がない、やるしかない』という気持ちを大切にしているからかもしれません」

躍進のきっかけは大阪府警察

 草野選手が日本代表の座を射止めることをできたのは、所属である大阪府警察での経験が大きいという。

「大阪で揉まれたのは大きいと思います。日本や世界の舞台で活躍されている先生方、先輩方がいらっしゃることもそうですし、特練員同士、日々の稽古の中でお互いに本気になって取り組む環境があります」

 第一線で活躍する選手がひしめく大阪府警察は日本で一、二を争うレベルの高さ。そのレベルの高さは質・量ともに豊富な稽古によって支えられている。草野選手自身、奉職してすぐの頃は稽古についていくことに必死で、「稽古→帰宅→就寝」のサイクルを繰り返す毎日だったと振り返った。



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