KENDOJIDAI 2026.8
平尾泰男子監督
ーー第1回目となったアジア・オセアニア大会を優勝できたことについて、感想をお願いします。
平尾:初開催ということで、第1回目の優勝はどこだったのか、後世に語り継がれるという意味においても、日本代表として優勝するんだという責任感を持ちながら大会に臨ませていただきました。今は優勝できてホッとしています。
ー世界選手権に次ぐ大きな国際大会が立ち上がったわけですが、これまでの国際大会と同様の向き合い方で強化を進めてこられたのでしょうか。
平尾:そうですね。想定外をなくしていくために、さまざまなことに取り組んできました。たとえば今大会は二刀を遣う選手が多いと聞いていましたので、強化合宿の中では二刀対策も相当の時間を費やしてきました。
ー代表選考のポイントについて聞かせてください。
平尾:部内試合と対外試合の結果を総合的に判断して、今回の9名を選ばせていただきました。加えて、海外選手に対する適正と言いますか、海外の剣風にも対応できる選手を選出したつもりです。
ー団体戦は試合ごとにオーダー変更もしていましたが、その意図をお聞かせください。
平尾:オーダーについては、来年の世界選手権を見据えて、各選手の経験値にもなるように全員をしっかりと起用することを意識していました。その中で、状態の良い選手を後半は起用していくことを考えていました。
ー準決勝までを振り返っていただいて、チームの調子の良さなどどのように感じていましたか。
平尾:全体的には選手それぞれが自分の仕事をきっちりとこなしていたと思います。
ー韓国の勝ち上がりについてはどのように見ていたのでしょうか。
平尾:以前より中心を攻めるまっすぐな剣道が主流になっていると感じました。日本としては、国内大会に近い戦い方ができると思います。ただ、韓国がこの剣風を続けていくことによって、将来的にもっともっと力をつけてくることが考えられますから、そこは充分に警戒しながら今後も取り組んでいきたいと思っています。
ー韓国との決勝戦ですが、前半は清家選手、真田選手の2名がしっかりと白星をとってきてくれました。
平尾:1勝1引き分けくらいで進められればよいと考えていました。その中で2名とも一本を先取して、その後も集中して試合をしてくれたと思います。前半で2勝したことはチームとして非常に大きい結果でした。今日までの取り組みを見ていても、両名は一生懸命稽古に励んでいましたし、他の選手も含めて、これだけ稽古をしているのだから剣道の神様が彼らを見放すわけはないと信じていました。
ー後衛陣は星子選手、松﨑選手、竹ノ内選手と今の日本を代表する選手たちでした。彼らの戦いぶりについて感想をお願いします。
平尾:試合前に選手たちには「1人で戦っているのではない、5人で戦っているんだ」と伝えていました。その意味では後ろの3人も全体のことを考えながら試合をしてくれたのではないかなと思います。
ー韓国との力関係についてはどのように感じていますか。
平尾:決勝戦だけをみれば、中身は五分五分です。たまたま勝たせていただいたと感じています。相手も当然、世界選手権に向けて対策を練ってくるでしょうし、それに対して日本もより一層の対策を講じて稽古を重ねていかなければ、来年の世界選手権は苦しい戦いになるでしょう。
ー世界選手権に向けて、意気込みをお願いできますか。
平尾:日本代表が、日本の伝統文化である剣道を正しく表現できるように、残り1年間、稽古を積み重ねていきたいと思います。応援よろしくお願いします。
竹ノ内佑也主将
ー初のアジア・オセアニア大会を男子キャプテンとして戦い抜いた感想からいただけますか。
続きを読む: 第1回アジア・オセアニア剣道選手権大会(日本代表チームコメント)
竹ノ内:はじめての大会だったので、世界大会とはまた違った雰囲気になるんだろうなとは思っていました。ただ、今回は日本で開催されたこともあって、いつもの国内大会に近い感覚で戦うことができたと思います。緊張もあまりしなかったですし、環境面に気をとられることもありませんでした。今は試合を終えて一安心といった気持ちです。
ー今大会に向けて、チームジャパンとしてはどのような意識で取り組んできたのでしょうか。
竹ノ内:第1回大会なので落とせないという感覚はもちろんありました。強敵韓国がいるので、その対策を重点的に考えながら取り組んできたと思います。
ー初日の個人戦は、キャプテンとしてどのような目線で見ていましたか。
竹ノ内:大平選手も木村選手も、団体戦に出たいという気持ちはあったと思います。2人しか出場していない相当なプレッシャーの中で、結果的には決勝まで勝ち上がってくれたので、団体戦のメンバーも2人の戦いを見て自信になったはずです。
ー団体戦の話に移りますが、韓国チームの面々、とくに大将のチョ・ジンヨン選手が復帰したことについてはどう感じていましたか。
竹ノ内:私自身は一回も竹刀を交えていないので、そんなに気負うようなところはありませんでした。私の感覚では、チョ選手だけでなく韓国選手はみな同じような剣道をするというイメージなので、どの選手にも同じような戦法で勝負しようと考えています。
ー決勝戦は前2人が勝利して良いムードでしたが、やはり韓国も一筋縄ではいかず、後半は苦労している印象でした。
竹ノ内:韓国との試合はつねにもつれると思っています。これまでの世界大会の歴史をみても、副将まではだいたい勝負が回ってきていますし、今回の流れも想定内でした。私と松﨑選手は一本を取られてしまいましたが、そこからしっかりと二本を取り返せたのも自信になりました。
ー大会を終えてみて、アジアの頂点はやはり日本であることを証明できたと感じていますか。
竹ノ内:そうですね。スコアも4―0でしたし、韓国だけでなく他のアジアの国々に対しても、日本の強さを知らしめることができた大会になったと思います。
ー今回の結果を受けて、1年後に控える世界選手権に向けての意気込みをいただけますか。
竹ノ内:いつもは3年区切りでチームづくりをしていますが、今回はアジア大会があったのでモチベーションの維持が難しいと感じています。そうは言ってもあと1年を切りましたし、ここから心身ともに落とすことなく、世界大会に向けて進んでいきたいと思います。それが私のキャプテンとしての仕事だとも思いますし、死ぬ気で頑張っていきます。
女子団体戦を戦った日本代表7選手のコメント
松本智香主将
「ほっとした気持ちが大きいです。皆背負っているものがある中、日本女子の先輩方が勝ってつないできたものがあったので、主将として、ここでその歴史を終わらせるわけにはいかないと思っていました。ここがゴールではありませんが、今回、世界大会に向けてやっていく過程の中で、本大会で結果が出たことは皆の成果だと思いますし、先生方がここまで一緒にやってくれたからだと思います」
藤﨑薫子選手
「初めての国際大会で緊張した部分はありましたが、自分の良いところはしっかり出せたと思います。緊張にまけず、下がらず、相手が出たところなど、機会を逃さず打つことを考えていました。次の世界大会ではまた選手に選ばれ、決勝に貢献できるように、反省点をしっかり整理して経験を糧にしたいと思います」
竹中美帆選手
「気持ちとしては、まず自分の剣道をするっていうのはありましたが、イタリア世界大会と同じ、前2人が勝ってきた状況でした。相手がかなり攻めてきたので、流れのためにも引き分けたところがあります。海外の選手と戦う貴重な機会で、第20回世界大会につながる経験をさせていただきました」
妹尾舞香選手
「今回、私は大将で出場していました。前で心強い皆が勝ってきてくれたので、自分としては思い切り自分の剣道を堂々とするつもりでした。今日は全体を通して、冷静に相手を見ることができたかな、と思います。良い部分もしっかり出せたし、逆に課題として、もっと様々な場面を想定した勉強をし、攻撃力をつけたいと思いました」
諸岡温子選手
「決勝戦では、(試合時間の)5分で一本を取るつもりで試合に入りました。メンが決まった後は、守りに徹してしまったところがあったかもしれません。前回の世界大会では最終候補で落ちてすごく悔しい思いをしたので、初めて日の丸を背負って、嬉しかったですし、何が何でもチームのために一本取る気持ちでがんばりました」
大嶋友莉亜選手
「国際大会の初陣でした。世界規模の大会は、日本の大会とは違う雰囲気の大会を初めて味わって、独特な緊張感を実感することができました。次の世界大会に向けて、自分の課題と向き合っていきたいと思います。次の世界大会ではまた選手に選ばれて、決勝に出場し、勝利をつかみたいです」
水川晴奈選手
「今日は自分の力を出せたかなと思いますし、良い経験ができたと思います。決勝戦も、いつもの自分の力を出すことができれば、勝てると思 っていました。勝って回すことができてよかったです。役割を果たせたかな……。1年後の世界大会に向けて、これ以上の力が出せるように、鍛えていきたいと思います」



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