アジア・オセアニア

アジア・オセアニア大会インタビュー(大平翔士)

2026年9月21日

KENDOJIDAI 2026.10

インタビュー=寺岡智之
写真=笹井タカマサ

初開催となったアジア・オセアニア選手権大会。栄えある第1回大会の個人優勝者としてその名を刻んだのは、警視庁の大平翔士選手だった。「悔しい2年間を過ごしてきたからこそ、このチャンスをモノにしたかった」。そう振り返る大平選手に、今大会の回顧と来春に控える世界選手権への意気込みを聞いた―。

大平翔士

おおひら・しょうし/平成12年生まれ、東京都出身。4歳時に東松舘道場で竹刀を握る。佐野日大高校時代にインターハイ個人優勝。筑波大学では団体日本一の立役者として全日本学生優勝大会を制する。大学卒業後は警視庁に奉職。イタリアで開かれた第19回世界選手権大会で日本代表初選出。団体優勝・個人3位と奮迅の活躍をみせた。そのほか、全日本選手権や全国警察大会で活躍する若手のエース株。日本剣道の将来の担い手として期待がかかる。剣道四段(警視庁の先輩で日本代表男子主将を務める竹ノ内佑也選手とともに)

よろこびと安堵のアジア大会
やれることを精いっぱいやるだけ

ーアジア・オセアニア選手権個人優勝、おめでとうございました。改めて、アジアチャンピオンとなった率直な気持ちを聞かせてください。

大平 うれしかったですし、ホッとしたという気持ちもあります。私自身、個人戦での優勝は高校生以来です。稽古はしっかりとしてきている自負はありましたから、やっと結果につなげることができ、よろこびも格別でした。ホッとしたというのは、やはり日本代表のプレッシャーですね。今回の優勝で、そのプレッシャーからも少し解放されたような気がしています。

ー現在、来年開催の世界選手権にむけて、日本代表も強化が進んでいます。男子は15名が候補選手として残っていると聞いていますが、その中で自分はアジア・オセアニア大会の代表に選ばれると思っていましたか。

大平 選出されれば結果を出せるという自信はありました。ただ、昨年は全日本選手権にも出られませんでしたし、警察個人も上位に進むことができず、うまくいっていないという自覚があったので、選ばれるかどうかは半信半疑でした。日本代表候補についても、当落線のギリギリのところにいるという危機感を持っています。

ーそんな状況の中、3月に開かれた記者会見で9名の選手枠に入ることが決まりました。大平選手としては、どのような気持ちで本大会に向けて歩みを進めていこうと考えていたのでしょうか。

大平 選手に選ばれたからには、大会にむけて万全の状態をつくりたいと考えていました。代表合宿を重ねるにつれて気持ちも充実してきている感覚はありましたし、自分にできることを日々探しながら稽古に取り組んでいました。個人戦でのエントリーが確定してからは、優勝まで多くの試合を重ねることを想定して、体力的なトレーニングにも力を入れました。

ー今大会は団体・個人のダブルエントリーをしないという話も聞こえていました。個人戦のみの出場となったわけですが、そこについては思うところはありましたか。

大平 正直な話をすれば、団体戦で出場したいという気持ちはありました。ただ、出場の機会がなかった日本代表候補もいるわけで、やはり自分のできることを精いっぱいやるだけだと考えていました。

ー個人戦には大平選手と大阪府警の木村選手がエントリーされました。年齢も一つ違いで、合宿等では同室で過ごされることも多いようですが、木村選手には意識するところがあるのでしょうか。

大平 ライバル関係ではあると思いますけど、合宿も世界選手権もずっと一緒に戦ってきたので、仲間という意味では非常に心強かったです。「決勝で戦おう」と言い合いながら大会まで頑張ってきて、それが実現できたことは率直にうれしかったです。

各国のレベルの上昇を実感
韓国選手には恐さも感じた



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